日本の映画配給・宣伝の問題ひどいよねって話。

映画ファンのみなさんはみんな納得してくれると思うんですけど、日本の映画配給・宣伝業界って本当に、「ちょっとズレてる」んですよね。

 

目次

 

 思わず「ダサっ」と言ってしまう宣伝

なんとなくfilmarksを見てたら、最近広告の仕様が変わったみたいで、スクロールするとレビューとレビューの合間に動画が挿入されていて、しかも自動再生されるという。

それで見たのがこのTVスポットだったんですけど、最初のピンク背景に「春が来た!」で「学園青春モノの宣伝」だと思ったんですよね。

 

そしたらトゥームレイダーだと。

 

「うわ・・・ダサっ」

 

 

幸いにも、僕は「トゥームレイダー」シリーズは未見で、なので今回のリブート作にも思い入れはないのですが、ファンの皆様には本当同情します。

 

トゥームレイダーって、過去作はアンジェリーナ・ジョリーがこのララ・クロフトを演じて「冒険する」「危機や困難に立ち向かう」「強い女性」の代名詞みたいな映画・キャラクターだったと思うんですよ。

トゥームレイダー」の意味知ってます?

Tomb(墓) Raider(侵入者)ですよ。

つまり「墓荒らし」で「トレジャーハンター」なハズですよ。

春満喫!じゃねーんだよ。

嫌なら見なきゃいい宣伝なのですが、今回のfilmarks見ないな方法で強制挿入されるとどうしようもない。

 

「ララハルかよ。」って何だよ???

自分らで謎の単語を作っておきながら自分でツッコミ入れてんじゃねーよ!

 

 

本当にうんざりするなぁという日本での海外映画配給・宣伝問題が巷ではあふれていて、今回このトゥームレイダーをきっかけにちょっとざっくりとまとめてみました。

 ワンダーウーマンの大炎上

同じワーナー・ブラザーズでいうと、2017年の「ワンダー・ウーマン」において日本語版主題歌に乃木坂46の「女はひとりじゃ眠れない」というワンダーウーマンのテーマ性の真逆を行く主題歌」を当て、その日本プレミア(レッドカーペット?)で主演のガル・ガドットの来日もなく(そもそも本国公開から2ヶ月近く遅れての日本公開/プレミアなのでスケジュールを合わせる方が困難)せっかく来日した監督パティ・ジェンキンス女史そっちのけで乃木坂46にばかりインタビューするイベントで、SNSを中心に大炎上しました。

「ワンダー・ウーマン」の公開で露呈される6つの日本の非常識 | THE MAINSTREAM

 

 

「ドリーム」問題

2016年末の作品ですが、日本では9ヶ月遅れで公開された「ドリーム(原題:Hidden Figures)」は、当初、『ドリーム 私たちのアポロ計画』というタイトルでした。

が、本来の映画の内容は「アポロ計画」ではなく「マーキュリー計画」を扱ったもので、それに違和感を覚えたファンの間で炎上。9ヶ月も遅れて公開されるので当然ながら日本人の中にも「もう海外で見た」とか「飛行機の機内で見た」とかいう人がたくさんいるので内容はすぐにバレてしまうし、そうでなくてもネット社会なので中身を隠すことは不可能。

最終的にtwitter経由でこの邦題問題が監督セオドア・メルフィの耳に入り、配給の20世紀FOXはタイトルを変更するに至りました。

 

つまり、「内容と全く違うタイトルをつけるのにも関わらず、作った監督に確認すら取っていなかった」という、創作者を侮辱するにもほどがある問題でした。

 

www.buzzfeed.com

 

ディズニーの例

このブログでも散々言ってますが、僕の愛するディズニーも公開日先延ばし、タイトル改変、的外れな宣伝方法、芸能人声優起用など散々です。

 

最新作「リメンバー・ミー(原題:Coco)」は本国公開から4ヶ月遅れてのスタートで、僕が今住んでるカナダでは2月の終わりに既にblu-rayが発売されていて、そうなってくると海外のSNSアカウントでは(公式も含め)必然と「もうネタバレ気にせず話してもいいよね」という空気になってきます。

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ドクター・ストレンジ」の宣伝担当へのインタビューにおける「女性にはラブ要素が欠かせない」発言*1や、「モアナと伝説の海」のマウイ隠しおよび手を胸元でハートにしたポスターや*2、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(原題:Gardians of the Galaxy Vol.2)」の日本語タイトルを「リミックス」にした理由を監督のジェームズ・ガンSNSで直接ファンから尋ねられて「日本のディズニーのスタッフに『日本人はこっちの方が喜ぶ』と説明された」と暴露されたり。*3

カーズ/クロスロード(Cars 3)」「マイティ・ソー:バトルロイヤル(Thor:Ragnarok)」も「インクレディブル・ファミリー(Incredibles2)」も「シュガー・ラッシュ:オンライン(Wreck-It-Ralph 2:Ralph Breaks the Internet)」も大方のファンは(少なくとも僕は)納得してないからな!

 

それで、極め付けはコレです。

これ大丈夫???こんなに思い切って言い切って大丈夫???

アベンジャーズが全滅したらネタバレだし、アベンジャーズが全滅しなかったら過大広告にならない?

 

公式サイトまで行くと「アベンジャーズ全滅『へのカウントダウン』」と、一応続きがあるのだけど、「文字数の都合で・・・」とかいってミスリードを誘うなら、もうタイトルとキャラクターだけでいいのに。

 

一方、お隣の韓国

で、最近twitterで「韓国の邦画(日本映画という意味で)宣伝ポスターがおしゃれ」「君の名前で僕を呼んで(原題:Call Me By Your Name)の宣伝ポスターがおしゃれ」というツイートが立て続けに流れてきて、「う〜む、羨ましい」と思ったのでした。

 

 

 

 

宣伝だけじゃなくて韓国では「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」ではソウル市内で、現在公開中の「ブラックパンサー」では釜山で、韓国政府全面協力+資金援助でロケをしていたりして本当に羨ましい。

 

一方で日本はというと「アベンジャーズ」の第4弾で日本のシーンが撮影されたが、日本政府とのロケの折り合いがつかずにアメリカにセットを作って撮影という形になってしまった。当然「アメリカ人が作る日本」なので、いくら「アベンジャーズ」という映画史に残るブロックバスターとはいえ、微妙に勘違いされた日本になってる。

ネット上では「ちゃんとやれ」とからかうような、怒るようなコメントが多いのだけど、これ結局全部日本政府とマーベルスタジオとの交渉がうまくいかなかった結果。「韓国ではできるのに日本ではできない」という悲しみ。

マーベルスタジオを「再現度低っ!」と、どれだけ批判したところで彼らは外国人だし、日本を忠実に再現するなんてできない。似たようなことを日本では実写版「鋼の錬金術師」でやってるわけだし。

 

当たり前だけど「ロケ地」って観光資源になりますから。政府が多少お金を出しても絶対に損にはならない。しかもそれが世界興収1位を取れる作品のシリーズだったらなおさら。ロケ地が観光資源になることは日本の比較的マニアックなアニメでも散々証明されているし。

 

日本政府とマーベルスタジオの間で交渉があったことは以下のインタビューに載っています。

www.gizmodo.jp

そのほか「なんだかなぁ」と思う映画関連ニュース

nlab.itmedia.co.jp

www.j-cast.com

trendy.nikkeibp.co.jp

 

まとめ

と、まぁ日本の映画宣伝はずれにズレている。まぁ宣伝だけじゃなくて、「映画」という産業コンテンツに対する向き合い方が全面的にずれているというか。

 

日本のお国柄的なものだとか、こうでもしないと日本では興行収入が上がらないだとか、もちろん映画配給側の事情もネットをやって入れば漏れ聞こえてくるのですが、「いくらなんでもひどいんじゃないか」っていう出来事が多い、多いというかネットでSNSの普及で悪目立ちするようになってきたな、という気がします。

「わかりやすくインパクトを」という宣伝も、結局のところ視聴者を学力の低い、低レベルな存在だとなめてかかってるように聞こえてしまうし(個人の感想です)冒頭のターゲットを履き違えたような宣伝も結局「思ってた映画と違った」となれば不評に終わってしまうと思います。

「映画が不評であろうが、決められた興行収入を達成することだけが仕事」なのであれば、映画ファンとしては非常に残念だし、やりきれない。

 

 

これだけではあれなので、ポジティブなニュースも載せておく。

otocoto.jp

 

 ※NHKニュースへのリンクがあったのですが現在は読めなくなっています。

内容はこちら

アメリカ映画のロケを日本に誘致するための提言をアメリカ・ハリウッドで活躍する日本人俳優らがまとめ、
補助金や税制優遇など、行政による支援の必要性を訴えました。

アメリカ映画界では、日本を舞台にした映画でありながら別の国で撮影されることが多く、JETRO=日本貿易
振興機構などが現地で活躍する日本人俳優や関係者に呼びかけて、映画のロケを日本に誘致するための対策を
検討してきました。

このたび提言がまとまり、8日、ロサンゼルスで記念の式典が行われて、ハリウッドで活躍する俳優のマシ・オカさん
からロサンゼルス日本総領事館の千葉明総領事に提言書が手渡されました。

提言書では、補助金や税制優遇など行政による支援の必要性を指摘していて、式典でマシ・オカさんは
「多くのハリウッド関係者が日本で撮影をしたいと思っているが、支援制度がないため多くの機会を逃している。
日本は十分に誘致することが可能であり、世界に本当の日本の姿を見てもらうことにもつながる」と訴えました。

JETROによりますと、ヨーロッパや韓国ではロケを誘致するために、条件を満たせば映画の制作費の20%前後を
支援する制度が整っている一方で、日本では一部の自治体を除いて資金面での援助は行われていないということです。

提言書は、外務省を通じて各関係省庁で共有されるということです。 

アメリカ映画のロケを日本に誘致するための提言をアメリカ・ハリウッドで活躍する日本人俳優らがまとめ、
補助金や税制優遇など、行政による支援の必要性を訴えました。

アメリカ映画界では、日本を舞台にした映画でありながら別の国で撮影されることが多く、JETRO=日本貿易
振興機構などが現地で活躍する日本人俳優や関係者に呼びかけて、映画のロケを日本に誘致するための対策を
検討してきました。

このたび提言がまとまり、8日、ロサンゼルスで記念の式典が行われて、ハリウッドで活躍する俳優のマシ・オカさん
からロサンゼルス日本総領事館の千葉明総領事に提言書が手渡されました。

提言書では、補助金や税制優遇など行政による支援の必要性を指摘していて、式典でマシ・オカさんは
「多くのハリウッド関係者が日本で撮影をしたいと思っているが、支援制度がないため多くの機会を逃している。
日本は十分に誘致することが可能であり、世界に本当の日本の姿を見てもらうことにもつながる」と訴えました。

JETROによりますと、ヨーロッパや韓国ではロケを誘致するために、条件を満たせば映画の制作費の20%前後を
支援する制度が整っている一方で、日本では一部の自治体を除いて資金面での援助は行われていないということです。

提言書は、外務省を通じて各関係省庁で共有されるということです。

 

出典:ハリウッドから提言「アメリカ映画のロケ 日本に誘致を」 | NHKニュース 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180309/k10011358241000.html(リンク切れ)

 

 

もっと日本と海外映画(だけでなく日本の映画が)よりよく展開されていけばいいなと思います。

 

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