先日4月7日は「グーフィー・ムービー/ホリデーは最高!」の公開記念日だったらしく、海外の公式アカウントがちょこっと画像を載せたりしていた。
Stand out! A Goofy Movie debuted on this day in 1995. pic.twitter.com/ehN029SUiU
— Disney D23 (@DisneyD23) 2018年4月7日
「グーフィー・ムービー/ホリデーは最高!」は1995年の2Dアニメーション映画。監督は「ターザン」「魔法にかけられて」などのヒットメーカーであるケヴィン・リマ監督。 日本でも一応劇場公開されているが一般的な知名度はさほどないだろう。多くのマイナーディズニー作品同様、ソフト販売形態もDVD止まりでblu-ray化はまだ果たしていない。でもディズニーチャンネルとかでたまに放送されているので、見たことある人もいるかもしれない。
グーフィー・ムービーというタイトルだが、物語の実質的な主人公はグーフィーの息子マックス(本名:マキシミリアン・グーフ)である。夏休み前日、思春期真っ只中のマックスは恋い焦がれる同級生のロクサーヌにかっこいいところを見せようと、学校で問題を起こしてしまう。校長から直々に「このままではマックスは犯罪者になる」とお叱りの連絡を受けた父グーフィーは彼を更正させるべく、夏休みをまるまる利用し、親子水入らずの湖への釣りの旅へと出かけることになる。
グーフィーには息子がいる
さらっとあらすじを書いたが「えっ、ちょっと待って」となったかもしれない。
ディズニーオタクにとってはわりと周知の事実だが、一般的にはあまり知られていない事実として、グーフィーには息子、マックスがいる。
なんなら東京ディズニーリゾートで結構会える。パレードとかにも結構出てくる。
海外パークのほうが会えるかと思いきや意外と日本の方が会える。(当社比)
ほぼ主演と言える映画が2本と、パークにも露出が増えているのにも関わらず、このグーフィーの息子、マックスの存在というのは結構ディズニーオタクの間でも多くの謎を秘めている。
今回はそんな、謎が多すぎて知れば知るほどモヤモヤしてしまう、マックスという存在について語ろうと思う。
目次
マックスの初出
明確に「マックス」という名前を持ったキャラクターとして彼が登場したのは1992年9月5日からスタートしたテレビアニメシリーズ「パパはグーフィー」(原題:Goof Troop)であると言われている。その後2本の長編映画(前述の「グーフィー・ムービー」とその続編)と2本のオムニバス短編にも出演、また、色々なディズニーキャラクターが総出演するテレビシリーズ「ハウス・オブ・マウス」にも登場する。
「パパはグーフィー」は海外では一部VHS、DVD化しているものの、日本ではソフトとして購入は困難。ですが、全話ではないものの、Huluでは見れるらしいです。
ちくしょう・・・うらやましい・・・。カナダにいるので日本のHuluは観れない・・・。
Huluは初回2週間無料で登録できます。
(追記)
今現在ではディズニープラスで全話見ることが可能となっています。
母親は誰?
マックスの一般的な知名度は無に等しいので、非オタの人と会話をすると当然ある程度説明が必要になってくる。
そして、こちらが実際にあった会話である。
筆者「こないだディズニー行ってきたんですよ〜(写真を見せる)」
上司「えっ、誰このキャラクター?ミッキー顔変わった?」
筆者「あっ、これマックスっていうキャラクターで、グーフィーの子供です」
上司「グーフィーの子供??子供いんの?じゃあ母親は誰??」
筆者「いや、母親は謎なんですけど」
上司「なんやそれ、知らんのか。(筆者)の知識も大したことないな」
何 故 な の か 。
もちろんディズニーのことを全て知ってるわけじゃないけど、グーフィーの妻を知らないのは今の所公式設定がないからで、僕の知識がないからじゃないのに・・・。
それに、グーフィーの妻の設定がきちんとあったとして、それを語ったとして、まぁ間違いなくメジャーなキャラクターではないだろうから、ディズニーオタではない人の記憶に残ることはないだろう・・・。この人も話の流れとして「誰?」と聞いただけであって、別に興味があるわけではないだろうし。
そもそも、僕がこの会話を振る相手(ディズニー嫌い/人を馬鹿にしたがる)を間違っているような気がしないでもないし、この職場はすでに退職しているのだけど。
それはそれで置いておいて。
僕はそこまできっちりと調べたりしたわけではないのだけど、今までグーフィーの登場する作品には配偶者らしき「人間の女性」の声や体の一部が登場することがあっても、それが公式設定としての「妻」である可能性は低く、正式に配偶者に関する言及があったことはないと思われる。
ディズニーの映画、特に短編は時として俳優・グーフィーが演じた「作品」として描かれているため、その中で描かれた内容が公式設定でないことがよくある。*1ここで登場した「人間の女性」の手や声というのは「ストーリー上必要な演出としての『妻のキャラクター』」と言った感じだと思う。
ここら辺の話としては実際にディズニーパークのミッキーの家や映画『ロジャー・ラビット』などを見るとわかりやすいかもしれない。
だが息子・マックスはいるのだ。マックスが登場する作品は他のグーフィー短編などとは違い、彼らの「現実世界」「日常生活」を描いており、そして彼の登場する作品(「パパはグーフィー」および「グーフィー・ムービー」)では母親には一切言及されず、当然のようにシングルファザーとしてのグーフィーの姿が描かれている。
そして上述の「グーフィーの妻らしき人間の女性」との共演も一切描かれない。
だから、今のところグーフィーの妻、マックスの母親の存在は「謎」と言えると思う。
例の「人間の女性」を公式設定としてネタ記事を書く人もいるけど、それが妥当だとも思えない。「奥さんと死別している」なんて話もどこから出てきたのか・・・。
まぁ、ポリコレ的な概念を持ち出せば、「グーフィーに息子がいる!!じゃあ母親は誰!?」なんていうのをいちいち探るのは野暮だともいえる。
いまやいろんな家族があって当たり前だし、海外ドラマなんかではゲイ夫婦が養子をもらって育ててるなんてのも普通にあったりしますからね。
「母親がいないなんておかしい」という発想自体がもはや、間違った考え方なんじゃないかと。

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グーフィーの恋人問題
全然関係ないけど、よくグーフィーの恋人と勘違いされる牛の女の子「クララベル・カウ」はTVシリーズ「ミッキーマウス クラブハウス」や「ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士」などで恋仲になることはあるけど、それも彼の演技だと思って間違いないかと思います。
またマックスが登場する「現実世界」のグーフィーは「グーフィー・ムービー/Xゲームで大パニック!」 ではシルビア・マーポルという女性と恋仲になります。
が、この時点でマックスはとっくに生まれているので、彼の実の母親というわけではありません。
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ミッキーの永遠の恋人はミニーマウスですが、こういう風に、ディズニーの物語での恋愛関係は、都合のいいようにその時と場合において形を変えていく場合があります。
マックスの誕生日問題
誕生日問題はいつだってオタの争いの種である。なぜならディズニーキャラクターの多くはテ◯スの王子様の跡◯景吾とは違い「会えるキャラクター」だからだ。
(テ◯プリミュージカルなら会えるとか言われても僕は知りません)
誕生日にはパークへ巡礼してファンレターを渡さないといけない。キャラクターへと手渡されたファンレターの行く末は知る由もないが、基本的には(キャラクターからではなく)株式会社オリエンタルランドからお返事(と言う名のポストカード)が来ることになっているので、きっと保管されているのだろう。
話は逸れたがこのマックスというキャラクター。誕生日が2説あるのだ。
しかもどちらも(一応)公式からアナウンスされているのでたちが悪い。
一つは「パパはグーフィー」(原題:Goof Troop)第1話の初放送日である9月5日。
もう一つは「グーフィー・ムービー/ホリデーは最高!」の米国公開日である4月7日。
前者は米ディズニーの主張、後者は東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが日本の公式ファンクラブの会報誌である「Funderful Disney 会報誌 Vol.38 」に記したことが発端となっている。
普通、アメリカのディズニーのほうが公式度レベル(?)でいうと尊重されるはずなので、9月5日が誕生日であるはずだが、多くの日本人が巡礼する東京ディズニーリゾートで4月7日が誕生日とされているとなれば、「9月5日に誕生日を祝いに行ったけど、キャラにポカンとされた」という出来事が起きてもおかしくはない。
これは彼らにとっては大変なことである。
9月5日誕生日でファイナルアンサー
ことの顛末としては実際、後日オリエンタルランドは米ディズニーに確認を行ったようで、今では正式に9月5日が誕生日とされている。
4月7日は彼の主演映画の公開日なので別に祝ってあげても問題ないが、twitterやまとめサイトで4月7日に「今日はマックスの誕生日」と書かれていたら、現在は明確に誤情報であるといっていい。
まぁ、面倒なんですよね誕生日とか。スクリーンデビュー日という言い方もするのだけど。
「スクリーンデビュー日」の響きからして「映画デビュー日」をいうと思ってしまったOLCが「4月7日がマックスのスクリーンデビュー日(=誕生日)」としてしまった訳ですが、米ディズニー的には「いやTVシリーズの初登場日9月5日がスクリーンデビュー日(=誕生日)だよ」と。
もっというとミッキー・マウスの誕生日(スクリーンデビュー日)は11月18日ですが、そのスクリーンデビューを飾った「蒸気船ウィリー」よりも先に制作された「プレーン・クレイジー」という正真正銘のミッキーのデビュー作があって・・・と、公式設定の誕生日(スクリーンデビュー日)と実際のデビュー日に差があることも多いです。
ちなみにドナルド・ダックは6月9日が誕生日(スクリーンデビュー日)ですが、「ドナルドの誕生日」という短編の中では3月13日が誕生日となっています。
マックスではない息子の存在
実はマックスが初登場する1992年の「パパはグーフィー」から遡ること約40年前、グーフィーに息子がいたという短編「グーフィーのお父さん」(原題:Fathers are people)が公開されていた。
MAXが登場した時ふに落ちなかった。Fathers are people(1951)でグーフィーの子供は初登場するけど、彼がMaxの幼少期だと言うには無理がある気がする。そんなこじつけいらないからグーフィーの家庭は複雑って言ってくれ笑 pic.twitter.com/vVOhkAejVw
— じょに。 (@johnnydisney15) 2015年3月2日
フォロワーのじょに。さんのツイートから。
彼の名前はグーフィー Jr.(日本語版wikiでは「ジョージ・グーフJr」となっている)という名前らしく、英語版Wikiでは同一人物として?”evolved”(進化、発展)と表記されているが、日本語版Wikiではおそらくモヤモヤしたファンにより「明確にはされてないけど多分別人」くらいのスタンスで書かれている。
たしかに、マックスとは似ても似つかない。毛の色も違うし。もっと言うとグーフィーの顔も違う。
ジュニアは約4本の短編に出演しており、その作品たちには前述の「人間の女性」も登場するらしい。らしいばっかりですみません。
「妻らしき人間の女性」が出ているということは、これもまたグーフィーの「演技」なのだろうか。
だがマックスと顔が似ても似つかないとはいえ、「人間の女性」とは違いはっきりと顔が出てきた上に名前まで与えられているこのジュニア。これが公式設定ではないというのもどうなのだろう。
これらの作品も、矛盾として別に闇に葬り去られているわけでもなく、一応「トレジャーズ」という過去の映像作品を高画質DVD化したシリーズの1本「コンプリート・グーフィー」という短編集で見ることができるのだが、期間限定発売だったために今では中古でしか買えない上にものすごい値段になっている。しかもDVD。
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めちゃくちゃ欲しいのでblu-rayで出してくれませんかねぇディズニーさん・・・。
ディズニーの設定はたまに矛盾する
今でこそ、ある程度のコントロールはなされているだろうが、ディズニーは歴史の長い映画会社である。数々の革命を起こして数え切れないくらいの作品を作ってきた。途中で国が戦争を起こしてプロパガンダ映画を作ったりもすれば、起労働問題でストライキにあったりもしてきた。映画の会社なのに創業者がテーマパーク作りたいとか言い出したりもしてきた。そんな波乱万丈の映画のスタジオで、時代が進むにつれ様々な部門ができたりスタジオが移転したりした中で、全くの矛盾なく筋の通ったキャラクター設定で物語を紡ぐなんていうのは不可能である。
初期のミッキーだってミニーちゃんにガンガンセクハラしてるし、ドナルドだって初登場時はびっくりするくらい細い。
そんな中、たまたまいちモブとして登場したグーフィーというキャラクターにコメディリリーフの役割が与えられ、アメリカの家族を描く短編でてきとうな子役を用意し、いつのまにかあんまり短編が作られなくなったタイミングで設定を一新して生まれたのがマックスである、と。特に深い意味はなく、きっとそんなところだろうと思う。
ディズニー的にはそういった「確認不足(認識不足?)で自然発生した矛盾」をしれっと「こういう作品もあるよ」と(デイヴ・スミスさんあたりが)トリビア的に語ることはあっても、わざわざ納得のいく説明づけをするようなことは、きっとないはずである。今後もマックスが公式設定で、ジュニアはなかったことにされるのだろう。怖いし、モヤモヤするけど、きっとそういう運命なのだ。
自由に妄想して君だけの「複雑なグーフィーの家庭」をつくろう!
まぁでも、公式が語らないのであれば、いくらでも妄想してしまえるのがファンの強みでもある。(狂気とも言える)
だからきっと、「グーフィームービー3」ではジュニアとあの人間の女性が、かつて亡くなったグーフィーの実の妻子で、マックスはそのグーフィーの悲しみを埋めるために連れてこられた養子であるということが明らかになるに違いないんだ・・・!
と、まぁこんな感じで、皆さんも自由に複雑なグーフィーの家庭と、マックスとジュニアの設定を考えてみてください。
本日はこの辺で。