惜しすぎる名作『インクレディブル・ファミリー』感想。

ピクサースタジオ最新作、巨匠ブラッド・バード監督による「Mr.インクレディブル」続編『インクレディブル・ファミリー』(Incredibles 2)を観てきました。

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この「インクレディブル・ファミリー」本国ではオープニング興収歴代8位、PG作品/アニメ作品としては1位と、公開直後から猛スピードでヒットを飛ばしています。

 

めちゃくちゃおもしろかった!!

おもしろかったんですよ!

でも、惜しい。惜しすぎる。

 

そんな惜しすぎる最新作「インクレディブル・ファミリー」の感想と雑感です。

 

一応ネタバレなしですが、当然ネタバレのラインは人によって違うので「なんの情報も入れたくない!!」という人は読まないでください!

 

www.disney.co.jp

目次

 

巨匠ブラッド・バードとは

ブラッド・バード監督は11歳という若い年齢からアニメーションを制作するほどの意欲と才能に溢れた人物でした。

14歳の頃その際に作られた映画がウォルトディズニーアニメーションスタジオの目に留まり、若い才能を育むためディズニーは彼をスタジオに招き入れアニメーション制作を手ほどきします。その時の指導者はナインオールドメンのミルト・カール。ピノキオやピーターパン、「シンデレラ」のプリンス・チャーミングやフェアリーゴッドマザー「南部の唄」のブレア・ラビット(うさぎどん)たちメインキャラクターの作画監督を行った人物です。

 

カルアーツことカリフォルニア芸術大学へと入学した彼はさらにアニメーションを学び、のちにピクサーを設立するジョン・ラセターともそこで出会います。

卒業後ディズニーに就職し「きつねと猟犬」にアニメーターとして参加しますがすぐに退職。スタジオを転々としたのちワーナー・ブラザースにて自身初の監督作品「アイアン・ジャイアント」を作り上げます。

 

その後「Mr.インクレディブル」の制作を計画しますがワーナー・ブラザースはアニメ部門を凍結。古い友人のジョン・ラセターの誘いを受け、ピクサーにて映画の制作を進めていきます。映画は大成功、アカデミー賞長編アニメ部門も受賞します。

その後同じくピクサーで「レミーのおいしいレストラン」パラマウントで「ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル」ディズニーの実写部門で「トゥモローランド」の監督を経て、今作「インクレディブル・ファミリー」を制作します。

 

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「Mr.インクレディブル」とは

2004年の映画「Mr.インクレディブル」はそんなブラッド・バード監督によって生まれたピクサースタジオ長編第6作目。

歴代の作品が「トイ・ストーリー」=おもちゃ、「バグズ・ライフ」=虫、「モンスターズ・インク」=モンスター、「ファインディング・ニモ」=魚と、人間以外の世界を描いてきたのに対し(もちろんアンディやシド、ブー、ダーラなど人間のキャラクターも居るにはいるが)「Mr.インクレディブル」は初めて人間を中心に描きました。

CGの特性を生かしてあえて写実的ではなくコミカルなデフォルメを施し、一方で髪の毛などは動きはリアルに制作されています。

訴訟によりヒーロー活動が違法となった社会を舞台としており、そこで自身のあり方に思い悩む主人公とその家族を描くこの映画は、「トイ・ストーリー2」や今後制作される「カーズ」などにも通ずるピクサーの強み「社会からののけもの」「忘れ去られた人たち」を描くのストーリーテリングでもあり、ヒーローものという設定を活かした派手なアクションと戦闘を導入した今までのピクサーにもない色を持った作品です。

 

今作「インクレディブル・ファミリー」は予告編でわかる通り、「Mr.インクレディブル」のエンディングの直後からスタートします。

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盛りまくりのアクション&ほのぼの家族ギャグリール

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前作「Mr.インクレディブル」の時点ですでにこの映画はかなりのアクションが盛り込まれていました。

それが今作「インクレディブル・ファミリー」では「さらに倍!」と言っていいほどの盛り込み。

 

あまりの展開が早さにハラハラドキドキしながら、格段にレベルの上がった映像美も楽しめます。

予告編にある通り今作はイラスティ・ガールこと妻ヘレン・パーが中心となりヒーロー活動を再開、主なアクションを繰り広げる一方で、夫のMr.インクレディブルことボブ・パーが長女ヴァイオレット、長男ダッシュ、赤ん坊のジャック=ジャックの面倒を見る主夫に専念します。

 

前作同様ヒーロー活動を制限されフラストレーションが溜まるボブに、さらには未知すぎるスーパーパワーに目覚めたジャック=ジャックの育児の大変さまでものしかかり、すっかり疲労困憊するシーンはギャグリールも兼ねており、イラスティガールが繰り広げるシリアスなアクションシーンとの対比、ギャップを楽しめる要素となっています。

 

同じくディズニー資本のヒーロー映画シリーズマーベル・シネマティック・ユニバースの台頭や、ディズニーアニメーションスタジオの悪役のあり方の変化など、前作からの14年の間に様々な映画が作られたため、今回の「インクレディブル・ファミリー」のヒーロー観や悪役観、ストーリーなどもとりわけ珍しい要素はないかもしれません。

 

その一方で14年の月日を経たからこそ、このインクレディブルな一家で描くべきテーマを見つけたのだろうなという感じはしました。

彼らはヒーローであるべき前に人間だったり家族だったりティーンエイジャーだったりする。そこを前作よりもっと深く掘り下げることがこの作品ではできているし、他のヒーロー映画とは違いアニメーションで描くことでもっとコミカルに、子供にもわかりやすく伝えることができていると思います。

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音楽!

「Mr.インクレディブル」は音楽が超かっこいい。

それは今作「インクレディブル・ファミリー」でも同じで盛り盛りのアクションのボルテージをさらにあげる効果を果たしています。

本当に最初から最後までかっこいいのです。そして中盤の何気ない演出を活かしたエンドロールの最後の方の曲もめちゃくちゃテンションが上がりました。

 

音楽はマイケル・ジアッキーノ監督。

「トゥモローランド」「ジュラシック・ワールド」「スパイダーマン:ホームカミング」「ローグワン/スターウォーズ・ストーリー」などなど大作で活躍するアーティストです。

Ost: the Incredibles 2

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惜しすぎた「ヤバい映像表現」

ここに関してはこちらのニュースをどうぞ。

www.usatoday.com

 

はい、公開日前日初回で観たので知りませんでしたし、注意喚起もありませんでした。

現在はニュースにもなっている通りで注意喚起のペーパーが配られるようになったということです。

 

実際僕が観た回でも子供の退場が多かったのが事実です。

(僕自身は大丈夫だったので「話が難しかったのかな?」とか「トイレかな?」とか楽観的に考えていた)

 

そもそも公開前に気づいて欲しかった事案ではありますね、ファミリー映画ですしディズニーの甘さが出た部分かと思います。

 

このストロボのシーンは中盤と後半、短いのも含めれば結構頻繁にあるのですが、どれもストーリーに関わる演出でまるごとカットが難しい部分であり、もし日本で公開するにしても本国のように注意喚起ペーパーか、もしくは編集で柔らかい表現に変えるか(一応公開まで1ヶ月半あるので可能?)ということになるのですが、この映画の面白さを考えると、やはりみんなに観てもらえるように後者にしてほしいなと思ったりもします。

 

日本ではかつてアニメ版「ポケットモンスター」が同じような現象で数人が気分を悪くして救急車で運ばれ、アニメ自体も長期の休止となった事件があるので、やはり真摯な対応が迫られます。

 

本当に、惜しい。

せっかく面白い映画なのに、甘いよディズニー。

 

まとめ

 

「インクレディブル・ファミリー」を観るときは部屋を明るくしてスクリーンから離れて観てね。

 

って、映画館ではまぁ無理な案件なのですが、実際大の大人でも気分が悪くなった方もちらほら居るみたいなので、ディズニージャパン側の対応がきちんと出るまでは静観しておく方がよさそうですね。

 

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