もしかしたら今年はブラッド・バード イヤーなのかもしれない。
『Mr.インクレディブル』14年ぶりの新作『インクレディブル・ファミリー』は世界中で大ヒットし、米国では最もヒットしたアニメーションとして記録を作り、『レディ・プレイヤー1』にはアバターとしてジャイアントが登場、『ミッション・インポッシブル』も新作が公開されたため、ブラッド・バードが監督を務めた「ゴーストプロトコル」にも再注目する人が多いように思う。
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そのブラッド・バード祭りにあやかるためか、先日ディズニーチャンネルでも『アイアン・ジャイアント』が放送された。
天才少年としてもてはやされディズニーに就職したバードがクビになり、ワーナーブラザースで製作した「アンチディズニー」なスピリットが光る処女作を、ディズニーチャンネルで放送するというのは実に皮肉というか、なんというか。
ワーナーのアニメーション部門ももうないし、現状バードとディズニーは良好な関係なはずだからまぁいいのだろう。
1999年ワーナー・ブラザース製作ブラッド・バード初監督作品『アイアン・ジャイアント』かなり昔に見たので内容はほとんど覚えていませんでしたが、そのおかげでとても楽しめました。
目次
あらすじ
アメリカの田舎少年ホーガースはある日、山の中の発電所で空から降ってきた巨大なロボット、アイアン・ジャイアントを見つける。ジャイアントは鉄の塊を食料にしていたが、ケーブルに絡まり電流で身動きが取れなくなってしまった。見かねたホーガースは電流のスイッチを切りジャイアントを助ける。
後日ジャイアントの証拠を見つけようと改めて山へ訪れたホーガースは、彼と打ち解け、言葉を教え交流するようになる。
市民の通報により駆けつけたアメリカ政府高官のマンズリーは、ジャイアントの存在に気づき、それがソ連が開発した兵器ではないかと疑う。ホーガースがジャイアントを匿っていると勘付いたマンズリーは、ホーガースの母親が貸し出していた空き部屋に住むことにする。
マンズリーからの疑惑の目をかわしながらジャイアントと交流するホーガースだったが、とある出来事により、ジャイアントが持っている恐ろしい力を目の当たりにすることとなる。
シンプルなストーリーと魅力的なキャラクター
『アイアン・ジャイアント』は非常にシンプルなストーリーである。
正体不明のロボットと少年の交流、そしてロボットを狙う大人たち。そこに冷戦時代というバックグラウンドがリアリティを増し、子供相手にも卑劣でなりふり構わない大人・マンズリーの醜さと愚かさを映し出す。
マンズリーと対になるのが、兵器として生まれながらも純粋無垢で「なりたい自分」=「スーパーマン」を目指すアイアン・ジャイアント、相手がロボットであっても心があり魂があると信じて疑わない少年ホーガース、そして彼の良き理解者であるロマンある芸術家ディーンである。
シンプルなストーリーを色付けるイベントや、細かい設定の面白さもさることながら、それぞれの魅力的なキャラクターの相互作用によって彼らの心境の変化が垣間見れるのが面白い。
ホーガースにとってジャイアントは友達ではあるが、言葉や世間を知らない赤ん坊のような存在でもあり、ホーガースは彼に知識を与えることでその鉄の体の中にある心を見出していく。「ヒーローになりたい」というジャイアントの「意思」に影響を与えた、ホーガースがコミックスを渡すシーンはさながら幼い弟を世話する兄のようである。
そしてホーガースには父がいない。
その隙間を埋める存在であるのが彼の良き理解者であるディーンである。彼ははみ出し者をないがしろにせず、ジャイアントの噂が半信半疑であっても笑い飛ばしたりはしない。ホーガースを子供扱いせず一人の人格のある人物として最期まで話を聞き、上の空のような顔をしていても最後には的確なアドバイスを与える。
その何気無いアドバイスがホーガース、そしてジャイアントへと影響を与える。
「なりたい自分になれ」
人殺しマシーンとして作られ、自我を失ったアイアン・ジャイアントに理性を引き戻したのがディーンのアドバイスであり、ホーガースが彼に伝えた「なりたい自分になれ」という言葉であった。
ホーガースが貸したコミックスの中からジャイアントが目標としたのは、殺人ロボットではなく人々を窮地から救い悪と戦う「スーパーマン」である。ホーガースの言葉により正気に戻ったジャイアントは「なりたい自分」になるために行動し、ヒーローとなる。
それと対比するように、マンズリーは怒りにより本来の目的を忘れ、多くの人々を危険にさらしてしまう。
どちらが正義でどちらが悪か。
自身がどういう人間なのかは、他人から貼られたレッテルにより決まるのではなく、自分がどうありたいか、どう行動するかというテーマはありがちではあるが、この映画はそのテーマを見事に表現し、そしてエンターテイメントとしても存分に楽しめるよう作られている。
一見の価値ありです。
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