「歌う」ホラーラブコメ『リトルショップ・オブ・ホラーズ』

日曜日に間に合わなかった・・・!

ということでハロウィン映画紹介第3弾。

 

ディズニーを愛する人ならば誰もが知っている、もし名前を知らなくても何度も曲は聴いたことがあるだろうというミュージシャンがいる。

作詞家ハワード・アッシュマンと作曲家アラン・メンケンのコンビである。

『リトル・マーメイド』でディズニーミュージカルデビューを果たし、低迷したディズニーアニメーションを再び黄金期に導き、オスカーの歌曲賞・作曲賞をもたらす。

このコンビはハワード・アッシュマンが1991年に亡くなるまで『美女と野獣』『アラジン』と3作に携わる(『アラジン』の一部楽曲はティム・ライスが作詞を担当する)アッシュマン没後もメンケンは長くディズニー作品に携わり、今なお名曲を生み出し続けている。冬公開の『シュガーラッシュ:オンライン』でも彼の新曲が一部登場することがわかっている。

 

そんなハワード・アッシュマンとアラン・メンケンの天才コンビがディズニーに注目されるきっかけとなった作品がある。

それが今回紹介する『リトルショップ・オブ・ホラーズ』である。

 

目次

 

「歌う」ホラー・ラブコメ

『リトルショップ・オブ・ホラーズ』は元々1960年に公開されたB級ホラー映画である。

気の弱い花屋の青年と、人間の血を飲んで成長する(見た目はパックンフラワーの)*1謎の植物との物語である。さりげなくジャック・ニコルソンも出演している。現在はパブリックドメインとなっているため、ネットで探せば観れるかもしれない。

そんなヘンテコなB級ホラーを「ミュージカルにしよう」と言い出したのがハワード・アッシュマンとアラン・メンケンのコンビである。本当に天才は何を考えているのかわからない。

このミュージカルは1982年にオフブロードウェイで上映され大ヒットを飛ばし、フランク・オズ監督により1986年に実写映画化する。1960年版でジャック・ニコルソンが演じた役はビル・マーレイが演じた。

 

元々ホラー映画だった作品にミュージカル要素を加え、オリジナルにも多少含まれていたラブコメ要素を深く掘り下げた。

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設定がいい

「人肉を食らう植物を、そうとは知らずに育ててしまい大変なことになる」という1つの設定をどんどん広げていくのがこの作品の特徴である。

本来気が弱く、優しいはずの主人公が職場の圧力により、片思いのフラストレーションにより、そして謎の植物の悪魔のささやきにより、どんどん悪い方向に事が進み、図らずも欲望をかなえてしまう。

 

映画全体の雰囲気や話の流れこそコメディではあるが、この作品は「どんな心優しい人間でも、心の奥底に殺したいと思うほど恨んでいる人間がいる」というような深層心理を孕んでいる。いやむしろ「(他者からの迫害を受けやすい)心の優しい人間こそ」というべきか。

 

音楽がいい

そして当然、音楽が素晴らしい。

作曲は先ほど述べたように今やアカデミー賞常連となったアラン・メンケン。

メンケンの名を知らずとも、「A Whole New World」「Beauty and the Beast」「Under the Sea」「Go the Distance」「The Bells of the Notre Dame」「That's How You Know」 「I See the Light」など彼が作曲した数々のディズニーミュージックのうち、いくつかはご存知だろうと思う。

 

軽快なオープニングから、ディズニーミュージカルにも通じるウィッシュソング、ジョーク全開の「サディスト歯医者」ソングに、ホラーコメディに彩りを添えるラブソング、そしてクライマックスのあの曲…と、かつてこれがB級映画だったとは思えないような多彩な顔を見せてくれる。

ディズニー マジカル・ワールド  〜ベスト・オブ・アラン・メンケン〜

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消えた「バッドエンド版」

こうして作られた『リトルショップ・オブ・ホラーズ』は、原作映画およびミュージカル版に倣い、バッドエンドの結末で完成された。

 

しかしながら試写の結果この結末が不評に終わり、製作陣は急遽ハッピーエンドの結末を追加撮影して差し替えることとなる。

 

それ以後、ミュージカル版でもハッピーエンドのバージョンが上演されることが多くなったらしく、このバッドエンド版は「幻」となってしまった。(オリジナル映画はバッドエンドではあるが結末は異なる)

 

そのバッドエンド版エンディングはBlu-rayの「ディレクターズカット」として収録されており、特典のインタビューと共に楽しむことができる。

バッドエンド版はよりモンスター映画的特撮に特化しており、大掛かりなセットやモンスターの造形に製作陣の苦労、そしてカットされたことによる無念が垣間見れる。

「どちらが好きか」は完全に好みの問題であるが、僕個人としては是非とも「バッドエンド版」を一度は楽しんでもらいたい。

 

まとめ

『リトルショップ・オブ・ホラーズ』はいいぞ。

 

モンスターの造形は小さなお子様にはちょっと怖いかもしれませんが、基本的にはコメディ、ミュージカル、ラブストーリーです。なのでわりといろんな年齢層でも、ホラー苦手な方でも楽しめる作品となっています。

 

D23 EXPOのアラン・メンケンコンサートでも『〜ホラーズ』の楽曲がいくつか演奏されたりもしていて、ディズニーファンには是非とも見てもらいたい映画ですね。 

リトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット [Blu-ray]

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*1:1996年発売の『スーパーマリオRPG』のCMはこの映画を意識してなのか、パックンフラワーが歌を歌うミュージカル風の演出になっている。