祝!『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』25周年!
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』が先日の10月29日(米国公開日)で25周年ということで(独断と偏見で)ハロウィン(にぴったりな)映画紹介の第4弾、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のご紹介です。
ギリギリだけど4本紹介記事書けた・・・よかった・・・。
目次
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
ディズニー傘下の大人向けレーベル「タッチストーン・ピクチャーズ」が贈る、ティム・バートン原案&制作、ヘンリー・セリック監督、音楽&主人公ジャック・スケリントンの歌唱部分はダニー・エルフマンが担当した映画がこの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
人形を少しづつ動かして撮影しアニメーションにする「ストップモーションアニメ技法」を全編に渡って導入し、奇妙な世界観と造形、そしてリアルな動きを共存させた怪作である。
森の奥にあるホリデーの国の入り口から「クリスマスタウン」*1へと迷い込んだ「ハロウィンタウン」の王・ジャック・スケリントンは、マンネリが続くハロウィンから色鮮やかで楽しいクリスマスに憧れを抱き、「ハロウィンタウンの住人たちでクリスマスをやろう!」と提案、文化の違いと様々な勘違いによりクリスマスは大混乱となってしまう。
ドクター・スース有名絵本(今度イルミネーションズが映画化する)「グリンチ」の逆バージョンのようなお話で、ティム・バートンの脳内のホラーかつコミカルな世界観と色鮮やかなファンタジー、そして心踊るミュージカル要素が見事にミックスした作品である。
めっちゃポジティブ
主人公ジャック・スケリントンはスタイリッシュで長身、そして驚かしのプロ。
彼は毎年毎年似たようなことが繰り返されるハロウィンタウンに飽き飽きしてしまい、やさぐれて森をさまよっていた時にクリスマスタウンを見つける。
それからなんやかんやあって「ハロウィンタウンのみんなでクリスマスをやろう!」ということになるのだが、これが実質的「クリスマスの乗っ取り」。
当初は「現作に忠実な(?)クリスマス」を目指していたジャックも「クリスマスとはなにか?」を考えすぎてダメな方向に吹っ切れてしまい、「ハロウィンタウンの住人流のクリスマス」を徹底したために大暴走。
「良かれと思って」サンタクロースを誘拐し、「良かれと思って」奇妙で不気味なプレゼントをリアル世界の子供達に届けてしまうので大変。
当然受け入れられずに大失敗した後も、彼はメゲない。
「僕は頑張った!!」と信じられないくらいのから元気のスーパーポジティブぶりを発揮し、この失敗をなんとかするためにサンタクロースの元へと向かう。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は失敗してもメゲないこと、自分を責めすぎないこと、という大切なことを教えてくれる。
なーんてことはなく、(あるかもしれんが)「思いつきで無茶するとめちゃくちゃ人の迷惑になるのできちんと考えようね!」ということを教えてくれる。
ナイトメアーは結構、悩める人々の本質をついていて「退屈」というどうしようもない悩みには色々挑戦したらいいし、失敗したっていいって勇気をもらえる映画なんだよな。
— すん@プレゼント企画開催中 (@s_ahhyo) April 6, 2019
誰もがおかしい世界で気が狂いそうな日々の連続に、死ぬこともできない体で、というのをギャグにできるのも強い。
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造形の素晴らしさ
ティム・バートン作品(厳密にはティム・バートン作品ではないが、キャラクターや世界観には彼のデザインがかなり重要視されている)といえば、独特のキャラクター造形が見所の一つでもあり、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』はその最たるものとも言える。
ジャック・スケリントン、ゼロ、サリー、フィンケルシュタイン博士、ウギー・ブギー、ロック、ショック、バレル、ハロウィンタウン町長・・・その他名前は登場しないが奇妙で不気味で、逆に可愛さすら感じるキャラクターたち、死人ゆえに人間の常識が通じない、ちょっとずれた言動や振る舞いや動きなど、魅力的なキャラクターがたくさん登場する。
ストーリーはともかくキャラクターデザインが大好きという人たちも少なくないだろう。
また、ハロウィンタウンの街の造形もすばらしく、ゲーム「キングダムハーツ」で初めてその世界観に触れ、歩き回った時にかなり感動したものである(筆者は「KH」で映画を知ってから鑑賞した。)
あまり語りすぎても野暮というもので、とにかく観るのが一番。
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映画に止まらない人気
かつてのカルト的人気から、現在では世界各国のディズニーランドにもキャラクターやデザインが登場し、アトラクション「ホーンテッド・マンション」はハロウィーンからクリスマスにかけて「ホリデーナイトメア」という特別バージョンにも様変わりするほどの人気ぶりを発揮。またハロウィーンの時期には一部映画館で3D版の特別上映がなされたりもする。
前述した「キングダムハーツ」への登場も人気を後押しした要因と思われ、かつてはヴィレッジバンガードやコミックショップの片隅に置いてある程度だったグッズも、今ではディズニーストアや通常のファンシーショップでも見かけるようになり、日本でのハロウィン文化の熟成と共にかなり知名度が上がってきている映画の一つである。
元々は「ちょっとダーク」な世界観ゆえにディズニーブランドではなく大人向けの「タッチストーンピクチャーズ」のブランドで公開された本作、25年経った現在でも根強いファンに支えられている素晴らしい作品となった。
クリスマスまで安泰
「でも、もうハロウィン終わるし!!今からレンタルしても間に合わないし!」という人たち、安心してほしい。
何と言ってもこの映画のタイトルは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(クリスマス前の悪夢)であり、ハロウィンとクリスマスの融合した世界観を楽しめる映画となっている。
ハロウィン当日からクリスマス当日にかけての2ヶ月弱を描いた話で、劇中ジャックは大真面目にクリスマスの研究をし、実際にクリスマスを乗っ取ってしまう。雰囲気こそおどろおどろしいながらも、クリスマス要素も存分に楽しめるのだ。
だからこの映画はクリスマスに観てもなんら問題なく楽しめる。
まぁ映画なんか季節関係なく好きな時に観ればいいので一体何が安泰なのかわからないけど。
まとめ
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』はいいぞ。
映画との出会いこそ遅かったのですが、一時期本当にめちゃくちゃ観ていた映画で、かなり好きな作品の一つですね。
いつもは吹き替え版をとことん貶す僕ですが、これは吹き替え版もめちゃくちゃ良いです。元劇団四季俳優市村正親がジャックの役を演じており、あのポジティブさも完璧に再現(心なしかオリジナル版よりもポジティブに聞こえる)歌唱部分もその実力をいかんなく発揮しております。
ストーリー自体は比較的薄くて教訓めいたこともそれほど多くはない本作ですが、本当に面白くワクワクしてしまう要素が詰まっています。
まだ観たことがない人には是非ともご覧いただきたいですね。
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今週のお題「ハロウィン」
*1:劇中歌唱シーンで一度だけ「クリスマスランド」と言われる。(日本語版・英語版共通)おそらくただのミス。