ミッキーマウス生誕90周年を記念し、89周年だった昨年からスタートした「ミッキーマウス映画祭」*1へ行ってきました。
全国数カ所の映画館で11月4日日曜日の11時一回のみで、ミッキーの過去の短編(と中編)が上映されます。
【チケット好評発売中】スクリーンデビュー90周年記念! ミッキーマウス 映画祭 2018
神戸ハーバーランドのumieというショッピングセンターにあるOSシネマズ ハーバーランドで観てきました。
入場時に限定のピンバッジセットももらえます。
インスタのストーリーに乗せたやつなので画質が荒い・・・。
今回ほとんどの地域で早々に満席となったようで、ミッキー短編も捨てたもんじゃないなと思いました。
実際、短編映画自体はDVDやディズニーチャンネル、中にはパブリックドメインでYouTubeで見たりしたものもあるのですが、やはり映画館で見るのは格別でした。
というわけで、今回は各短編のレビューも込みで色々振り返ってみます。
動画は公式アカウントがアップロードしているものは載せていきますね。
目次
前説映像
映画の前にナレーション、およびウォルト・ディズニー・アーカイブスのベッキーさんからミッキーの誕生や短編の紹介が語られました。
「ミッキーがどのようにして生まれたか?」というフリだったのでオズワルドの話でもするのかと思いきや、「ウォルトはネズミのキャラクターにモーティマーと名付けようとして・・・」というところからでした。
アーカーイブスの部屋にレコードが飾られてたんだけど、ビクトリアに住んでいた時にThrift Storeで見つけたレコードにそっくりで、違うものかもしれませんが、本当にあの時買っておけばよかったと思いました。
ビクトリアのThrift Shopに売ってたコレ、買っとけばよかったな〜〜 pic.twitter.com/UNYQMnKzGq
— すん (@s_ahhyo) 2018年11月4日
よく誤解されるところなので、先に制作されたのは「プレーンクレイジー」で、先に劇場公開されたのが「蒸気船ウィリー」だよ、という解説があったのはよかったですね。
蒸気船ウィリー
ミッキーのスクリーンデビュー作。
この作品の公開日11月18日が「誕生日」として扱われています。
いきなりタイトルシーンの文字が画面内に収まってなく、上下が切れていたので先行き不安でしたが、まぁ差し支えはないレベルでした。
「世界初のトーキーアニメーション」として伝説を残している作品で、今尚ディズニーが「最先端」そして「最高峰」を目指す所以。
モノラルサウンドのため、劇場で見ている映画にも関わらず音が平べったく感じ、それが白黒の映像と相まって(当時生まれてないくせに)なんだか昔懐かしい思いに浸れました。
この頃からすでにミッキー、ミニー、ピートが登場しています。
ミッキーは船長に憧れる怠け者の乗組員で、ピートが船長。
ミニーはどういう役割なのかわかりませんが楽譜とギターを持って船に乗ろうとします。
その楽譜(藁の中の七面鳥)とギターをヤギが食べてしまったので演奏できない!と思いきや、ミッキーがヤギの口を開けて、ミニーがヤギの尻尾をレバーのように回すと、オルゴールのように音が流れて・・・という話。
動物愛護団体の怒りを買いそうなレベルでミッキーが動物たちを「楽器」として扱います。ちなみに上映されたのはノーカット版でした。
「音楽に合わせながら絵を躍らせる」という、今でこそいろんな会社が当たり前のようにやっていることを、その前例のない時代に(すでに完成しているミッキーマウスのアニメーションを保留にしてまで)作り上げるその先見の明、そしてこのミッキーマウスに「世界初」という最高の舞台を与えたウォルト。絶対に負けられない戦いがそこにはあったのでしょう。本当にすごい。
世界初のトーキーアニメーション映画として、その魅力を遺憾無く発揮しています。
昔のミッキーは怠け者だしいたずら好きだし結構悪い子なんだよね。
じゃがいもの皮むきも大雑把すぎて、ミッキーより大きかったジャガイモがみるみる小さくなるのでめちゃくちゃ勿体無い。
ピート船長が噛んでいる「噛みタバコ」が印象的。
ミッキーの大時計
2本目からはカラー作品。特に今回は「ミッキー、ドナルド、グーフィー」のいわゆる「3バカ」にスポットを当てた3作を連続で上映します。これはこの1本目。
大時計のメソッドは「リピート」なんだよね。
くどいくらいのギャグの繰り返しで鉄板にする、序盤の笑いを二倍にする手法。
例えばグーフィーが鐘掃除してる時に人形が鐘を叩くシーン。
それから序盤にドナルドがバネに遊ばれて腰フリフリが止まらないのを、オチでは3人揃って腰フリフリ。
ベタながらも鉄板です。
それからやっぱり何と言ってもふらふらになったグーフィーの空中浮遊(?)シーンが見もの。落とすまいとてんやわんやするミッキーも可愛いのなんの。
ミッキーの造船技師
こちらも傑作中の傑作の一つ。
折りたたみ式インスタント船製造記。幼い頃この短編を見て「船の舵ってああやって動くのか!」と学んだりした。
あんな感じだけど、グーフィーもしっかり男の子なんだなぁと思わせられる一方、いや誰がどう見ても人形だろうよ・・・。
「進水式ではお酒の瓶を船首にぶつけて割るのがならわし」「割れないと縁起が悪い」というのは漫画ワンピースの尾田先生の読者コーナーで知りました。
ミニーちゃんも当然のごとく割れずにその後の悲劇に繋がります。
ミッキーの移動住宅
ミッキーマウス短編の中でも傑作中の傑作。
序盤から「嘘っ!!」「まじかっ!!」という笑いの連続で、完全なるアイデアと想像力の宝箱。アニメーションはどこまでも自由であるということがよくわかる。
あの移動住宅にめちゃくちゃ憧れるし、3人がきままに一緒に暮らしているというのも胸が熱くなりますよね。
回転して登場する家具たち。お風呂がジッパー式なのもすごい。
トウモロコシ食べたくなるし、フォークがコンセントに刺さって電気ビリビリでトウモロコシがポップコーンになってしまうのもおもしろい。それをちゃんと食べてるのも偉い。
3バカが行動するときは、グーフィーはやたらと歌っているなと思いました。
ミッキーの愛犬
ミッキー短編のなかでもプルートが活躍する話の一つです。
ここで登場するメス犬はフィフィちゃんといって、一応公式でプルートの恋人ということになっています。(短編によっては異なる)
愛犬コンテストで失敗し、大恥かいた後に
「曲芸ならできるぞ!スケート犬なんてどうだい?」
と行き当たりばったりでその場でやらせようとする無茶な飼い主のミッキー。
短編「ミッキーの愛犬」で犬のコンテストやってるけど、審査員とか出場する犬の飼い主がどう見ても犬の擬人化なの笑う
— すん (@s_ahhyo) 2016年5月19日
大昔の感想ツイート。
ミッキーのゴルフ
日本語タイトルこそ「ミッキーのゴルフ」ですが、公式分類上はプルート短編。
オープニングにはプルートのサンバースト顔アップが登場します。
プルートが「ゴルフボールここにあるよ!」っていうのを指し示す時にぐいっ!!ピシッ!!という動きをしたあと、ぐわんぐわんぐわんという振動音がするのがいちいちツボ。
ミッキーはいつだって可愛いけど、このころのミッキーが一番可愛いと思う。
魔法使いの弟子
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長編第3作の「ファンタジア」(とはいえオムニバス形式)より「魔法使いの弟子」
ミッキーの最も有名な代表作の一つ。
オーケストラによる演奏のデュカス「魔法使いの弟子」に合わせて動くアニメーション。
ここまで笑い重視の軽やかなアニメーションが続いてきたのでなかなか緊張感があり、さすが「ファンタジア」の一本ということで音の迫力がすごく、今回一番映画館で観るべき一本だったのがこれだなと思いました。
わくわくする映像なのにオーケストラはなぜか序盤からそわそわさせる旋律を奏でて、楽しそうなミッキーも、だんだん雲行きが怪しくなり・・・。
可愛さも笑いもハラハラも怖さも全部盛りにしたような、何度見ても面白い短編の一つですね。
昔のディズニー長編でよくやっていた、恐怖シーンを彩度の高い原色で彩る感じも、スクリーンいっぱいの赤や黄色でちょっとぞくっとしました。
それが「ああ失敗しちゃった・・・」という表情のミッキーが顔に影を落として暗くなっているのがいい対比になっています。
安堵と後悔の姿にさらに降りかかる災難も、もうミッキーが可哀そ可愛いくて無敵。
改めていい映画だなと思います。
ミッキーの王子と少年
英語版タイトルは「The Prince and the Pauper(王子と乞食)」
マーク・トウェインの小説をミッキーたちに演じてもらったもの。
1990年という比較的最近の作品で、「ライオン・キング」などを手がけたマーク・ヘンもアニメーション作画に参加しています。
ドナルドがちゃんと例の怒り方をしていたり、グーフィーがあの奇声を発してくれたり、伝統を守る部分もあったのが良いです。
悪役ピートの取り巻きがビーグルスカウトではなくてイタチたちというのが90年代という感じがする。いつ頃の主流なんだろう。
召使いが冷静沈着な声でドナルドの喋り方をdisるのが面白いです。
まとめ
本日は以上8本が上映されました。
面白い短編が多かった中で、やっぱりちょいシリアスな「魔法使いの弟子」のインパクトがすごかったですね。
また、会場にたどり着くまでに「あ、この人映画祭行く人かな・・・」とミッキーファンの服装がたくさん見れたのも良かったです。
来年は90周年という名目こそなくなってはしまいますが、是非とも続けて欲しい企画ですね。
ミッキー短編にこだわらず、いろんな作品をリバイバルで観れたらいいなぁと思いました。
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