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DCEUの逆襲『アクアマン』様々な要素を詰め込んだ驚異の全部盛りアクション超大作。

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The Art and Making of Aquaman

DCコミックスを原作とした実写映画『アクアマン』を観た。

 

ディズニーフランチャイズ下で展開されているマーベルコミックスの実写化プロジェクト「マーベル・シネマティック・ユニバース(通称:MCU)」と同じように、ワーナーブラザース制作のもと同一世界観の中で複数のDC実写映画が展開される「DCエクステンデッド・ユニバース(通称:DCEU)」の一作である。

(はじめに断っておくと筆者はディズニーファンである)

 

MCUはずっと追いかけているものの、DC作品はさっぱりで、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』三部作は全部見たのだけど、DCEUを追いかけ始めたのはごく最近のことで、劇場で観たのは『ジャスティス・リーグ』ただ一本。

『マン・オブ・スティール』と『ワンダーウーマン』は昨年夏に飛行機の機内で鑑賞した。

感想としては『ワンダーウーマン』はおもしろい。『ジャスティス・リーグ』は普通。『マン・オブ・スティール』は・・・。という感じ。

 

海外ではめちゃくちゃ評判が良いものの、実際DCEUの繋がりが強すぎたりすると話がわからなくなるという不安もあったのだが全くの杞憂であった。

 

 

それにしても、だ。

この『アクアマン』という映画が本当にすごかった。

どれくらいすごいかというと、本当に「すごい」とか「やばい」とかいう感想しか絞り出せないのだ。

基本的にすっからかんで教訓として後に残るものなどほとんどないのだけど、とにかくめちゃくちゃおもしろい。

 

というわけで今回はディズニー/マーベルの最大のライバル(?)ワーナー/DCの大傑作『アクアマン』のレビュー。

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映画『アクアマン』日本版本予告【HD】2019年2月8日(金)公開

目次

 

シンプル・イズ・ベスト

超人的な能力を持つ海底人たちの国アトランティスの女王・アトランナは、不本意な結婚から逃れるため地上へとやってくる。地上で彼女を助けた灯台守のトーマス・カリーと恋に落ち、彼との間に子供アーサー・カリーが産まれる。数年後アトランナはアトランティスの追っ手に見つかり襲われ、一時はなんとか難を逃れるものの、トーマスとアーサーの命を守るために一人祖国へと戻る決意をする。

それから時は経ち、アーサーは母から受け継いだ超人的な能力を活かして人助けをし、世間から「アクアマン」と呼ばれるようになっていた。

ある日海底国ゼベルの王女メラから、アーサーの異父弟のオームが地上の脅威に対抗するため戦争を仕掛けようとしていることを聞かされる。

 

 

あらすじはざっとこんな感じ。

この「悪い弟を倒して戦争をやめさせよう」というシンプルな物語を膨らませ、海中だけにとどまらない大冒険活劇となっている。

ファンタジー色の強い海中の描写から、異国感溢れる複数のロケーションへの転換、謎解きを含むトレジャーハントの要素やホラー感溢れるモンスターとの戦い、両親の家族愛を中心に描かれるロマンスなど、様々な要素が純度高く盛り込まれているのに一切破綻しておらず、すべてがいい方向に作用している作品である。

 

独特のカメラワークと明るい絵作り

素人目からしてもおもしろいなと感じられたのがそのカメラワークで、一度戦闘シーンが始まるとまるで一発撮りかのような長回しでカメラが舞台を縦横無尽に動き回りその動きを追いかける。

映画のかなり序盤からこの手法が生かされており複数回観られるのだが、それが本当に彼らの「超人バトル」っぷりを際立たせていて実に面白い演出だった。

 

DCEUの責任者であるザック・スナイダー監督が重視している「グリーンバックで撮影をしてCGで何処にもない世界観を一から作り上げる」という手法も本作でももちろん取り入れられており、メインの舞台となる海底王国アトランティスは息を呑むほどに美しい。

また各方面から言われている通り、それまでのDCEU作品と極端に異なるのがその画面の明るさで、砂漠やイタリアの街並みを舞台にしたシーンはもちろん、水中であってもその光沢はしっかりと生かされている。

 

その独特のカメラワークも、画面の明るさも今回監督を担当したジェームズ・ワンの手腕によるところが強いと思われる。

元々ホラー系の監督だったということもあり、画面の暗いシーンではしっかりと怖がらせる展開が待っていたり、モンスターの造形や動きに手抜きがなかったりという「らしさ」も楽しめる。

僕個人は『ワイルドスピード』シリーズを観てはいないが、なるほど観客を休ませる暇のないテンポのいいストーリー運びとアクションの連続は、そういった作品を作った経験も生かされているのかもしれない。

 

 

 

ディズニー好きも反応する様々な「要素」

先にお伝えしたように、『アクアマン』は様々な要素がひしめき合い、全部載せの丼ような映画になっている。

それらを構成する要素はそれまでの過去の映画であったり、神話であったりお伽話であったりする。

それらの様々な要素は「もしかしてこのシーンはこの作品からヒントを得たんじゃないの?」というようなニヤニヤできるポイントがたくさんあるのだ。

(一応断っておくがパクリと言いたいわけではない)

 

ディズニー映画も原作は童話であったり伝説であったりするので、『アクアマン』を観ていて「これはディズニーオタクが反応するだろうな・・・」という要素もかなりたくさんあった。(「ディズニーの」という断言こそないが、実際に言及されている童話作品もある)

 

 

 

 おかげさまでツイートもめちゃくちゃ伸びています。

 

『リトル・マーメイド』『ファインディング・ニモ』『アトランティス/失われた帝国』『モアナと伝説の海』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの海を舞台にした作品のそこはかとない「っぽさ」もさることながら、(実際に意識されているかどうかはわからないが)意外な作品の要素もありかなり楽しめる。あらゆる映画の面白いものを詰め込んだ結果、唯一無二の作品が出来上がってしまったのだ。

 

出演陣も主人公アーサーの父トーマスに『スター・ウォーズ/クローンの攻撃』でジャンゴ・フェットを演じ、『モアナと伝説の海』でモアナの父を演じたテムエラ・モリソンや、なぜか『メリー・ポピンズ リターンズ』にカメオ出演がなかった*1ジュリー・アンドリュースがとあるモンスターの声の吹き替えを担当している。

 

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ジャスティス・リーグ(字幕版)
 

底抜けの明るさの代償

一方で映画から直接的に放たれるメッセージ性はどうにも弱く感じられる。

それを底抜けの明るさとエンターテイメント的な面白さで完全にカバーしプラスに持っていくだけの強みがあるのだから驚異的なのである。

ではあるが、(それを匂わす描写こそあれ)もっと明確に教訓であるとか、ヒーローとしてのスタンスを提示するような作品であれば・・・とも思ってしまう。

明るくしすぎるとメッセージ性が描けないというわけではないし、シリアスだからといって上手にメッセージが盛り込めるわけでもない。

一応アーサーが葛藤を見せるシーンもあるものの、それが何かしらのアンサーを示すわけでもなく流れで処理されてしまったのも惜しいところである。

 

 

とはいえ、ディズニーファンにしてみれば我らがMCUにとってかなりの強敵が現れたといってもいいと思う。

今年の4月末には『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開される。 MCUはまだまだ続くとはいえ、一旦これまでのブームが収束する可能性はかなり高いと思われる。

 

このタイミングでの『アクアマン』の大ヒットはかなり刺激的で流れが変わっていく布石になるのではないかと思う。

なんせ、DCEUの次作はこんな作品なのだ。


映画『シャザム!』60秒予告【HD】2019年4月19日(金)公開

 

ちなみにこのマッチョ、『塔の上のラプンツェル』でフリン・ライダー(ユージーン・フィッツハーバート)の声をあてたザッカリー・リーヴァイである。(ちなみにファンドラルというキャラで『マイティ・ソー/ダークワールド』『マイティ・ソー/バトルロイヤル』にも出演)

塔の上のラプンツェル (字幕版)
 

 

シャザム変身前の男の子もディズニーチャンネルで放送中の『アンディ・マック』に出演するアッシャー・エンジェルという男の子だったりして、いろいろ期待値高め。なによりこのテンションが『アクアマン』以上に突き抜けていて、一体どんな作品になるのやら・・・。本当に『マン・オブ・スティール』とかと同一世界観でいいんですよね!!?

 

ベン・アフレックのバットマン役降板だったり、DCEUと関係ないDC作品の登場でごちゃごちゃしていたり、色々不穏な動きも多いDC周辺だが、4月以降のDCEU VS MCUの勢力争いには注目していきたい。

切磋琢磨して、面白い映画を見せてくれ。

 

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アクアマン(字幕版)

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*1: 抜粋:『一方のアンドリュースも、カメオ出演の依頼を即答で辞退したと、マーシャル監督がアメリカで行われた同作のワールドプレミアで明かしている。理由は、「これはエミリーの作品で、邪魔をしたくないから」。』エミリー・ブラントが語る「メリー・ポピンズ」が“今戻ってきた理由”とは? - ライブドアニュース