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【まとめ買い映画レビュー その4】『エイリアン』

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エイリアン/ディレクターズ・カット (字幕版)

 

リドリー・スコット監督、シガニー・ウィーバー主演のSFホラー映画『エイリアン』

いわゆる「怖い映画」はず〜っと避けてディズニー映画ばかり観て育ってきた人間だったので、この歳になって初の鑑賞。

もちろん映画の存在やなんとなくの造形は知っていたが、まず舞台が宇宙であるとかそういう時点から「そうなの!?」と驚かされたくらいの知識で鑑賞した。

 

例によって映画を観るに至ったのが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』においてピーター・パーカー(=スパイダーマン)が作戦を練る際に「めちゃくちゃ古い映画だけど『エイリアン』って観たことある?」と言っていたのがきっかけ 笑

ディズニーフォロワーなので『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で言及されていた『帝国の逆襲』(スター・ウォーズ/エピソードⅤ)は流石に観ていたのだが、こちらは未見だったために購入を決意した。

 

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目次

 

 『エイリアン』

 西暦2122年宇宙貨物船ノストロモ号は乗組員7名と採掘した鉱石を積んで地球へ帰還途中であった。乗組員たちがハイパースリープから目覚め地球への帰還を心待ちにしている時、船の制御コンピューター「マザー」が知的生命体からと思われるS.O.S信号を受診する。雇用契約に従い、ノストロモ号は仕方なく発信源の惑星に降り立つ。

船長アーサー・ダラス、副長ギルバート・ケイン、航海士ジョーン・ランバートの3人は船外調査に向かい、化石となった宇宙人を発見する。さらに下には巨大の卵のようなものが無数に並ぶ場所があった。ケインがその一つに近づくと、中から何かが飛び出しケインの顔に張り付いた。

一方ノストロモ号では航海士のエレン・リプリーがS.O.Sの正体が宇宙人からの警告信号であったと気づく。

船外調査に出ていた3人はなんとか船に帰還するが、ケインは昏睡状態で彼の顔にはサソリ型の謎の生き物が張り付いたままだった。外科手術により取り除こうとするが失敗するも、いつの間にかその生物は死亡し、自然とケインの顔から剥がれる。

ケインは昏睡状態から覚め、何事もなかったかのように船員たちと食事を楽しむが、突如苦しみだす。すると”謎の生き物”がケインの腹を裂いて飛び出したのであった。

 

密室の宇宙船内で、謎の生き物・エイリアンと乗組員たちの命をかけた戦いが始まる。

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ホラーならではの恐怖と興奮のカタルシス

 

そんなに興味はなかったんです、はい。

あらすじも知らずに始まり、ゆっくりと文字そしてタイトルを形成していくオープニング、それほど説明の多くなく、淡々と進む映画。

SF映画といえば『スター・ウォーズ』そして最近やっと『2001年宇宙の旅』を見た程度。『エイリアン』が『スター・ウォーズ』寄りの映画ならまだしも、もし『2001年〜』寄りの難解な映画だったら、もしかしたら途中で飽きちゃうかもな〜〜と思っていたのですが。

 

いやバッチリ面白かった。面白すぎてびっくりした。

 

ストーリー的には先の読めない展開と、得体の知れない生き物との対峙する緊張感。宇宙船内ではびこる陰謀と、キャラクターそれぞれの思惑、個性。

 

ホラー的な演出は「来る・・・次絶対来る・・・」とわかっていてもビビってしまう、そして「やっぱり来たーーー!!」という恐怖と興奮の入り混じるある種のカタルシス。

無知だからこそ、後先も今後のシリーズとかも何も考えずに自由に怖さを体験できたのが良かったですね。

 

大丈夫、どっちかというと『スター・ウォーズ』寄りのSFでした。(『スター・ウォーズ』とも大きく違うけど)

 

 

細かいところをいえば、どんなウィルスを持ってるのかもわからないのに、寄生されたエイリアンを剥がす手術で全然防護服着てなかったり、「隔離して検疫だ!」とか言われていたのに元気そうになったら普通に食卓を囲んでいたり、「え〜〜軽率!」と思わざるを得ない演出もあるんだけど、まぁそこらへんはいいや。

 

とりあえず猫は宇宙に連れて行かないで欲しいと思った。

エイリアンに襲われるどうこうではなく、あんだけ自由に動き回られたら計器いじられて全滅の可能性があるのでは?とか。

 

 

エイリアンの造形と戦う女性像

『エイリアン』の何が良いって、主人公がシガニー・ウィーバーで、男に媚びないバリバリのかっこいい女性航海士なところだ。

本作は得体の知れないエイリアンが相手ということもあって、序盤こそなかなか活躍できないが、彼女の判断はいつだって正しく、情に流されず、男だろうが上官だろうが間違っていることには対等にNOを突きつけようとする。

恋愛描写も一切ないと言って良いほどシリアスなこの映画で、強い女性として描かれるシガニー・ウィーバー演じるリプリーと、対象的なのはエイリアンの存在である。

 

エイリアンの造形は男性器を思わせる形であり、乗組員はエイリアンに「寄生」され、また新たなエイリアンが体を突き破って生まれて来る。

エイリアンの存在は妊娠と出産、そしてレイプ、過度な男性性や性差別、男尊女卑的思想を想起させ、この映画をただの娯楽のホラー映画ではなくメッセージ性を持ったものに昇華させる。

 

実際にエイリアンに寄生され命を落とすのは男性乗組員であるというのはかなりの皮肉ではあるが。

The Making of Alien

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 映画が作られた1979年当時、特にSFではこのような強い女性主人公はなかなかいなかったらしく、その点でも後世に残した影響は大きいだろう。

その後1984年に女性主人公の『ターミネーター』が撮られ(本作のサラ・コナーはがっつり恋愛描写があるが)、それを撮ったジェームズ・キャメロンが『エイリアン2』を撮るというのも面白い。そしてまた『ターミネーター2』のエッセンスを持った90年代リスペクトの女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』が生まれ・・・と、映画の影響はどんどん波状的に広がっていくんだと実感する。

性別なんて本当は関係ない。とはいえまだまだ抑圧されている部分が大きいからこそ、今後も女性主人公の映画がどんどん生まれれば良い。

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