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【まとめ買い映画レビュー その8】『グランド・ブダペスト・ホテル』

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グランド・ブダペスト・ホテル (字幕版)

 

まとめ買いblu-rayレビューも折り返しまで来ました。

今回はウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』です。

 

ウェス・アンダーソン作品を見るのは『犬ヶ島』以来ですね。発表年は『グランド〜』の方が古いです。

 

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 目次

グランド・ブダペスト・ホテル

とある作家は静養のため古く寂れたホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を訪れる。そこで作家はホテルのオーナーで国1番の大富豪ゼロ・ムスタファと知り合う。

作家はオーナーであるにも関わらず一人使用人部屋に寝泊まりする彼から計り知れぬ孤独を感じ取り、ある日ディナーで彼に話しかけ、彼がいかにしてこのホテルを手に入れオーナーへなったかを聞くのだった。

 

繊細、絵画のような映画

好き嫌いの分かれる映画かなぁと思います。

というのも、ストーリーの展開はリズムよく進んでいくのですが、ナレーションでの展開も多く、大事件を大事件として見せず、淡々と(ウェス・アンダーソンらしい)独特な表現をしています。

 

大げさなアクションも大げさなBGMも使わず、必要以上にドラマティックにしない。

そして引きの画が非常に多い。

登場人物に寄るシーンもほとんどが上半身を写し、背景まで気を配れるような撮り方。

 

移動シーンはまるで、その舞台こそが・背景こそが主人公であるかのように写し、そこをミニチュアのような登場人物たちがアニメーションのようにカタカタと動く・・・というような。

なんせ、ホテルの装飾であったり、登場する洋菓子店のパッケージがいちいち可愛らしい。

 

その「淡々と」進むストーリーに程よくアクセントとなっているのが、出演する名優たちの存在感。

前述の通り、背景だったりプロップスだったりがメインになってしまうほどの存在感を放ちながらも、登場人物たちが埋もれていないのはその名演と「こんなところにこの人が!」というアハ体験的な面白さかと思う。

 

過去でのホテルのコンシェルジュ、グスタヴ・Hを演じるのが『ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモート卿を怪演したレイフ・ファインズ。実質的な主人公ゼロ・ムスタファを演じるのは『スパイダーマン:ホームカミング』でピーターの同級生フラッシュを演じるトニー・レヴォロリ。その妻アガサを演じるのが『レディバード』のシアーシャ・ローナン。その他一瞬しか出てこないような脇役にも名俳優たちがずらっと登場する。

 

ストーリーは殺人事件、遺産相続問題、脱獄・逃亡劇、そして狙われる命・・・となかなかヘビーな内容なのに、コメディであり重さを感じない。

また、それらサスペンス的な内容はこの物語の本質ではなく、軸となるのはあくまでもコンシェルジュ、グスタフとベルボーイ、ゼロとの友情の物語である。

そしてそこの描き方すらも、ウェス・アンダーソンの手にかかれば必要以上にウェットにはならずあっさりと軽く、ちょっと笑える仕上がりになるのだ。

そんなウェス・アンダーソンの独特の世界を、最初から最後まで十分堪能できる作品だと思う。

 

 

 

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