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『殿様とスティッチ』が面白かったことを否定できない。

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殿さまとスティッチ(3) (KCデラックス)

 

複数の意味で今更すぎるんだけど、

だいぶ前に『殿様とスティッチ』全3巻読み終わりました。

感想はタイトルの通りで、もうタイトルだけで終わってもいいんじゃないかと思うくらいなんですが、

あまりにもブログを書かなさすぎているのもあり、

ちゃんと書いてみます。ちゃんと書けるかな。ドキドキ。

 

目次

 

『殿様とスティッチ』

『殿様とスティッチ』が発表されたのは2020年1月ごろ。

講談社のWeb漫画サイトコミックDAYSで連載され、コミックスは全3巻。

サクッと読めてしまうコンパクトな作品となっています。

漫画の一部(主に序盤)は今でもWebから読むことができます。

comic-days.com

 

銀河連邦の輸送船から逃亡した生物兵器・試作品626号は地球の、なんと戦国時代の日本に宇宙船が落ちてしまうという、『リロ・アンド・スティッチ』のパラレルワールド設定の時代劇コメディ。

天下を取るためには手段を選ばず、謀略の限りを尽くす下剋の国の主、大和 命尊(やまとめいそん)は、討ち入りのさなか突如目の前に現れた626に対し、産まれて初めての感情を抱く。

 

「可愛い」

 

626の可愛さに魅了された命尊は、そこから討ち入りをやめ、日々626の気をひくために奮闘する。「天より一人捨てられた」626を「捨て一」(スティッチ)と名付け、徐々に打ち解けていく。

そんな中、626の回収を命じられたジャンバとプリークリーが現れ・・・という話。

 

完全なるギャグコメディ

『殿様とスティッチ』というタイトルだけで既にでもう誰も疑うことがないとは思うが、本作は完全なるギャグコメディである。

まず和田洋人先生の描く、劇画チックな武士たちと、まん丸で可愛いスティッチらキャラクターとのギャップが面白い。

いい歳したおじさんであり、殿としての威厳も貫禄もある大和 命尊が、スティッチの気をひくためにあれやこれやと迷走し、たまに嫌われたりして落ち込んだりする様はまさに滑稽である。

 

『リロ・アンド・スティッチ』のリロやナニたちがスティッチの世話に苦労したように、本作でも命尊らはスティッチの行動に苦労するが、時代が戦国ということもありその認識の「ズレ」具合が極端でおもしろい。

そして、パラレルワールドなので経験していないはずのリロとの時間も、スティッチの性格に部分的に反映されていて、「オハナ」という言葉をなぜか知っていたり、序盤からいたずら好きでわがままではあるものの、比較的「いい子」ですんなり命尊と仲良くなるというツッコミどころもある。

大前提の設定が設定なので、そういう細かな部分で「この設定おかしいだろ!」とキレても、こっちが負けみたいなズルさもある。

 

捨て一は家族

全編にわたり内容は軽いタッチで描かれているため、そこまで深く感情移入するポイントもないが、本作のベースは『リロ・アンド・スティッチ』と同じく「喪失」と「家族との絆」となっている。

主人公の大和 命尊も戦国時代のさなか、幼き頃に敵国の人質として差し出され、親の愛を知らずに育ったというバックグラウンドが語られ、それがスティッチに対するシンパシーにもなっている。失われた子供時代を、スティッチの機嫌をとるために、一緒に遊び笑うことで思い出すという流れも、この無茶な設定に若干のリアリティを与える。

 

この「若干のリアリティ」が活きてくるのが最終回での展開で、ここはほぼ『リロ・アンド・スティッチ』の終わり際と同じようなセリフや理屈の流れではあるのだが、上記の設定があるからこそ、ふざけ倒しているのに、ちょっぴり感動もできるようなエンディングにつながっている。

 

まとめ

作品が当初発表された時は「ウォルト・ディズニー・ジャパンまじでふざけんなよ」と思ったものだが、これはこれでいいのかもしれない、と読み終わってから思いました。

WDJには天狗になって欲しくはないけど。

私はオリジナルの『リロ・アンド・スティッチ』が好きなので、逆に派生作品に手を出してこなかったタイプの人間で、色々な派生作品を食わず嫌いしていたのだけど、いきなりコレを手に取って読んでしまったので、なんか今はなんでもOKな気がしています。

 

TVシリーズは膨大なのと、私自身飽き性なので、まだまだ見終わるのは先かと思いますが、いつかは・・・派生作品コンプも目指したいですね(中国でしか放送されていないアニメシリーズもあるそうですが・・・)

 

 

最後に、2021年7月18日に亡くなられた和田洋人先生のご冥福をお祈りいたします。

安らかに。

 

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