生きていくなんてわけないよ

世界を旅するDオタの旅行記/映画レビューブログ

1.5センチの等身大ヒーロー『アントマン』癒しと笑いのクライム・アクション・ムービー。

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『アントマン』を劇場で見たのは紆余曲折あって。

 

当時、来たるべきD23 EXPO JAPAN 2015に備え、意を決してマーベル・シネマティック・ユニバースを追いかけ始めたのが2015年の夏。

バイトの休憩中にHMVで『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『アベンジャーズ』のblu-rayを購入し、その1週間後には終了間近だった『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を三ノ宮OSシネマズの10番スクリーンで観た。

 

その時、劇場においてあった「サマシネ」という「ポスターの写真とともにツイートすると抽選でムビチケが当たる」という企画ポスターを偶然見つけ、便乗したところ、数日後に見事当選し、「好きな映画に使えるムビチケオンライン券」が当たったのである。

 

せっかく『アベンジャーズ/AoU』を観たおかげで手に入れたムビチケ。同じくMCUで使わないと!と思い、すぐさま9月公開の『アントマン』のムビチケと引き換えたのであった。

 

目次

 

MCUの原点回帰

 

トニー・スタークという人物は元々「パリピ的」な人物ではあるが、彼がアイアンマンとなってヒーロー活動をするのは、彼自身の過去の行動に対する贖罪であり、動機としてはかなり重い。ジョークで場を和ませながらも、心の根っこの部分で彼はセンチメントを抱えている。

『アイアンマン』のシリーズも、同時期に公開されたクリストファー・ノーランの『ダークナイト』などに比べればかなり軽い作りではあったが、作数を経るごとに物事の規模がいち一般人のトニー・スタークの手に負えないレベルに広がり、彼はまたそこでも自身のヒーローとしての立ち位置に悩むこととなる。

他のキャラクターに至ってはフェーズ2までの時点では比較的シリアスに描かれることが多く、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の2作はそれの最たるものであったと思う。

 

その「重くなってきたMCU」を一気に明るくさせたのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『アントマン』の2作である。

『GotG』はアウトローたちが宇宙の危機を救ってみせる物語であり、『アベンジャーズ』規模のシリアスな展開をキャラクターや設定の魅力と軽いジョーク、80年代の音楽で彩った。

その一方で『アントマン』はひとつの会社の中で起きている新技術を巡る問題というレベルにまで規模を小さくさせた(その技術が取引されることで最終的に世界の危機にはなるのだが)。

 

『アイアンマン』がスターク・インダストリーズ社内の師弟間のこじれと技術を巡る問題から発展したように、『アントマン』もピム・テック社内のハンク・ピムとダレン・クロスの師弟関係のこじれ、そして彼の技術を巡る物語である。

出発点こそ似ているが、『アントマン』は「ヒーローとして盗む」ことを目的としクライム・アクション的なスリルを持ち込んだ。

『アベンジャーズ/AoU』で大きくなりすぎた規模を一旦縮小し、MCUの原点回帰的な設定を持ち込みながらも、より親しみやすい作品に仕上げたのが『アントマン』である。

 

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MCU史上最も「普通」のヒーロー

Dr.ハンク・ピムからスーツを受け継ぎ、アントマンとなる男スコット・ラングはマーベル・シネマティック・ユニバース史上最も「普通」の男である。

厳密にいうと元泥棒であり服役囚だったため、普通でもないのだが、元服役囚のため定職につけずお金もなく、元妻や妻の新しい婚約者には犯罪者扱いされ、娘との面会もままならない。

そんな彼が何の因果かヒーローとなってしまうのがこの『アントマン』の面白さである。

彼は賢く運動神経もいいが、超人能力を持っているわけでも、大富豪でもない。与えられたスーツを取り上げられてしまえば、我々と同じただの男である。

そんな等身大で、一般人視点をもつ主人公を、世界の危機からちょっと離れた舞台で「娘にいい父親であるところを示すため」にヒーローにしてしまう。その身近さこそが他のMCU映画にはない魅力である。

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めちゃくちゃおもろい

身も蓋もない言い方をするけど「『アントマン』ってめちゃくちゃおもろい」んですよ。

ここでいう面白いは「笑い」の意味でです。

 

自由自在に縮小拡大し繰り広げられるバトルはスリルに溢れながらも、オモチャに囲まれていたり、虫捕り機に捕まったりする。実在するアリたちを操ることで真面目なシーンでもコメディチックかつSF的な画を産むような驚きも持ち合わせている。

脚本に主演のポール・ラッドも参加しており、元々コメディドラマ出身の彼の経験も生かされているのだろう。

他の映画では真面目な役が多いメキシコ系俳優マイケル・ペーニャ演じるルイスのマシンガントーク、そして彼率いるデイヴとカートの3バカトリオなど、他のMCU作品ではなかなか観られなかった「とことん笑わせる」シーンがふんだんに詰まっていてニヤニヤが止まらない。

 

『アントマン』は飛び抜けてギャグの要素が強く、楽しい。

それでいてヴィランは凶悪で、ヒーローものとしても一本筋が通っているバランス感の強い作品である。

『アベンジャーズ/AoU』の直後、そして控える『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』の直前というタイミングの作品ながら、宇宙人だとか神様だとか魔法使いだとか、AI仕込みの人造人間だとか、そんなのが一切出てこないこの作品。

それでも「愛する娘のために戦う父親像」や「泥棒としてしか生きられなかった奴らの正義の戦い」っぷりに癒され、笑わされる、実にホッとする作品である。

 

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金曜ロードショーで『アントマン』初放送!

今回この記事を書こうと思ったのが、なんと金曜ロードショーで『アントマン』が地上波放送されると知ったからだ。

 

 

いやーやるじゃない。

もう「アイアンマン」と「アベンジャーズ」のシリーズしか地上波はやる気ないのかと思った。(「インクレディブル・ハルク」は多分1度地上波放送されたと思う)

 

僕はblu-ray持ってるから関係ないっちゃないんだけど、地上波放送がきっかけで、『アントマン』以外にも他のいろんな作品に興味を持って日本でももっとMCUが盛り上がればいいと思いますよ。

『アントマン』地上波放送は2018年9月7日金曜日、日本テレビ系列「金曜ロードSHOW」にて発送です。

 

そしてぜひ続編『アントマン&ワスプ』も観てください。

 

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