『犬ヶ島』はディズニー好きにおすすめするブラックユーモアコメディである。

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毎度毎度、こじつけのようにディズニー好きに向けてこういう、あることないこと書いています。

半分ネタですけど半分本気・・・。

www.foxmovies-jp.com

犬ヶ島、見ました。

ウェス・アンダーソン監督作は初体験だったのですが「グランドブダペストホテル」「ファンタスティックMr.FOX」は映画好きの間では結構有名なので、名前だけは知っていました。

今回日本が舞台のアヤシイ世界観の映画をやるということで、日本の俳優さんたちも参加しているし、劇場で見たトレーラーが不気味で面白そうだったので見てみることにしました。

 

というわけで先月見た「犬ヶ島」(「犬が島」ではない)がディズニー好きにおすすめかな?と思ったので、やりまっせ!

 

ただ、僕は決して「ディズニー好きにオススメ」=「子供向け」「夢と希望」「ファンタジーたっぷり」という意味で書いてるわけではないので、「子供と一緒に観に行こうかな」とか「デートで観に行こうかな」と思ってる人は十分注意してください。

 

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この記事は映画「犬ヶ島」のネタバレを含みます。

目次

 

あらすじ

「犬インフルエンザ」が蔓延した未来の日本。犬インフルエンザの人間への感染を危惧したメガ崎市・小林市長は離島であるゴミ島に全ての犬たちを隔離することを決定した。市長自らの飼い犬であるスポッツも例外ではなく、スポッツを忘れることができない市長の養子・小林アタリは彼を助け出すため、たったひとりでゴミ島「犬ヶ島」へと向かう。

 

豪華キャスト

何と言ってもこの作品、豪華キャスト勢ぞろいなのである。しかもそのキャストが基本的に犬の声をやるのである。狂ってる。

リーヴ・シュレイバー、ブライアン・クランストン、エドワード・ノートン、ボブ・バラバン、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、スカーレット・ヨハンソン、F・マーリー・エイブラハム、ティルダ・スウィントン、グレタ・ガーウィグ、フランシス・マクドーマンドなどなど、、、

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そして日本語を主に話す日本人キャストは村上虹郎、オノ・ヨーコ、渡辺謙、夏木マリ、野田洋次郎(RADWIMPS)、山田孝之、松田龍平、松田翔太、など・・・しかも(村上虹郎とオノ・ヨーコはともかく)彼らは基本的にちょい役のキャラクターが中心で、メインキャラクターはコーユー・ランキン、野村訓市、高山明、伊藤晃など知る人ぞ知る俳優さんやクリエイターが務める。

 

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なぜディズニー好きにおすすめなのか

ブラックテイストなストップモーションアニメ

この「犬ヶ島」はクレイなどの人形を使ってちょっとづつ人形を動かしながら撮影する映像技術である「ストップモーションアニメ」を利用して作られています。

比較的伝統的な制作方法で、有名どころでいうと「ウォレスとグルミット」やNHKで放送されていた「ニャッキ!」最近の映画では「リトルプリンス 星の王子さまと私」「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」など。 

ストップモーションという映像表現は「手間暇」や「工夫」「こだわり」がそのままクオリティに反映されやすいため、かなり見ていてかなり印象的、かつ作品それぞれの個性が出しやすいイメージがあります。

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ストップモーションアニメは実際に「物質を使った映像表現」を利用してるためなのかわからないですが、例えば「虫」だとか、そういう「ちょっと気持ち悪い生き物」の演出が手書きアニメやCGに比べてかなりリアリティがあり、そこの部分はこの「犬ヶ島」でもしっかり生かされています。

そのため、ストップモーションアニメはなんとなく「ブラックテイスト寄り」で「不気味」な作品が多い印象を受けます。

 

「ブラックテイストなストップモーションアニメ 」そして「ディズニー」と言えばあれしかありません。

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はい、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」です。

 

ティム・バートン原案のナンセンスファンタジー絵本を映画化したこの作品はディズニーファンのみならず、様々な世代からカルト的人気を博しています。

 

「犬ヶ島」は妖怪もお化けも出てこないのですが、「そこまでやっちゃう?」というブラックユーモア溢れる演出、ちょっぴり過剰なキャラクター描写など、「不気味さ」という部分では「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」に通じる部分も少なからずあるかと思います。

 

「メガ崎市」の華やかで、実在しないのにどこか懐かしい街の描写、「ゴミ島」の打ち棄てられ汚れてゴミや虫ばかりの寂れた様子などは、このストップモーションの演出がしっかりと生きているように思います。

 

和テイスト超進化日本

 物語の舞台「メガ崎市」は日本にあるという設定ですが、さすがそこはアニメといったところで「実際にはあり得ない超進化した未来の日本の街」を作り上げています。

 

「未来」ではあるんだけど、文明や科学が超発達しているわけでもなく(むしろ白黒ブラウン管テレビが堂々と登場する)、なんとなく昭和的な日本を感じさせながら、いわゆる「外国人が期待する日本テイスト」をふんだんに盛り込んだ架空の街です。

ゴミゴミした下町、セーラー服と学ランの高校生、神社、寺、刺青に風呂に、スモウレスラー、お弁当はスシ(お弁当をつくるシーンもなかなか「これぞストップモーションアニメ」という感じだった)、、、。

 

僕はなんとなく「鉄コン筋クリート」みを感じたのだけど、こういう日本アニメからもインスパイアされてるかもしれないですね。

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「超進化日本」でいうと「ベイマックス」がやはりわかりやすく「外国人が期待する日本テイスト」が含まれているように思います。

 

ベイマックスの舞台「サンフランソーキョー」は災害により住めなくなった日本人のためにアメリカに作られた架空都市、という設定だったかな?(うろおぼえ)

サンフランシスコとトーキョーをミックスして、和寄りの和洋折衷都市を作り出しています。

メガ崎市はそこまで行かずにもっと素朴な街だけど・・・。

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一方の「ゴミ島(犬ヶ島)」

一方で華やかなメガ崎市の対比かのように描かれている「ゴミ島」はブロック状に固められたゴミの山、廃墟となった研究所や遊園地、だだっぴろい草原、壁に書かれた落書き(トレーラーにも映るが「どうやって僕らを殺すつもり?」というような、意味深な文章など)など、絶望的でどうしようもない世界が作られている。

 

ゴミ溜めといえばディズニーのあの映画を思い出しますね。

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 「ウォーリー」はロボットだし、自分自身がゴミを固めるお掃除ロボット的な立ち位置ですけど、この犬ヶ島に住む犬たちは当然お腹も空くし、仲間はいるけどひとたび生ゴミがやってくれば食料の争いのタネになるし、、、と悲惨さは数割り増し。

ウォーリーはウォーリーで切ないのくて、彼の健気さに救われる部分もあるんだけど、「犬ヶ島」は救いがなくて、犬たちもそれなりに健気ではあるけど、やっぱり中にはスレた奴もいて・・・という感じ。

 

反差別的メッセージ性

↓ここらへんからネタバレ色強いです。

 

この作品の話の始まりは「犬インフルエンザ」の流行による「犬たちの隔離」というところからはじまる。

現実に「鳥インフルエンザ」という病気があって家畜を殺したりしているわけで、決してリアリティのない話ではないものの、基本的にはそういう話ではなく、「(あたかも)正当性を持った理由づけでの差別」を描いた作品である。

 

そりゃあ、病気がうつったら困る、そしてまだ治療方法が見つからないなら隔離すべきだ、というのはごもっともな意見なのだけど、

この作品は「じゃあもしその病気が人工的に、悪意を持って作り出されたものだったら?」「もしすでに治療方法が存在しているのに、政治的な力によってもみ消されていたら?」という問いかけをしてきます。陰謀論というやつです。

 

ディズニーにもそういう、サスペンスフルな作品がありましたよね。

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「ズートピア」はそこから「個人の隠れた差別感情」にまで焦点を当てて、観る人をギクッとさせますが、「犬ヶ島」はただ陰謀という真実があり、真実を暴くために戦う人々(と犬)の姿があり、とあまりにも淡々と進んでいきます。

 

「あなたが『正当だ』と思っている差別は(むしろ差別とも思っていないそれは)何者かによって人為的に生み出されたものかもしれない」というのは、 今の世の中で本当にきちんと向き合うべき課題だと思います。

 

別に病気だけの話ではありません。

陰謀論からは話がずれますが、日本には「少子化を加速させるから」というもっともらしい(と本人は思っているであろう)理由で同性婚に反対する人がたくさんいます。

当たり前ですが、少子化と同性婚に因果関係はありません。

同性婚が認められなければ同性愛者がいなくなると思っているのなら大きな間違いですし、同性婚が認められることによって同性愛者が急速に増えるなんてこともありません。

ただ得体の知れない存在が自分にとって脅威である(と勝手に思っている)から、今「少子化が問題だ」というのを都合のいいように差別に利用しているだけです。

 

この映画は「犬」と「犬インフルエンザ」という病気の話なので、ちょっとピンとこない部分もあるかも知れませんが、こんなに軽いアプローチでここまでの要素をブッ込むのはさすがだなぁと思ってしまいました。

 

 

最終的にこの手の話がどういう風な結果を生むかというのではDCコミックス原作のヒーローっぽくないヒーロー映画「Vフォー・ヴェンデッタ」という映画も面白くておすすめです。

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最終的にディズニー映画になる

www.bbc.com

「シェイプ・オブ・ウォーター」の時と同じオチですみません。今作もフォックスサーチライトでした。

 

ちなみにここにきてコムキャスト(ユニバーサル)が「うちならもっといい額出すよ」と言ってきたりイギリスの他の会社を買収したりと色々動き始めました。

そもそも独占禁止法に引っかかると、買収自体が成立しないので、一体どうなることやら・・・。

 

まとめ

「犬ヶ島」はいいぞ。

 

そりゃ、ディズニーっぽくないっちゃ全然ないので別にディズニー好きだからという理由ですすめるようなもんでもないんですが、映画好きな人たちは多分どうせ観るので、「映画はディズニー映画しか観ない」という人がまぁノリで観てくれるきっかけになればなぁくらいに思います。(ちなみに映画好きの人たちは基本的にディズニーを舐めてかからずきちんと観て評価してくれる人が多いという印象)

 

最初にもいいましたが「ディズニー好きにオススメする映画」=「ディズニーっぽい映画」ではないのでディズニー映画を見る心構えでは観ないでください。

というかディズニーっぽい映画を紹介するくらいならまぁディズニー映画見ればいいじゃん?

 

とりあえず面白いのでおすすめです、くらいに受け取ってください。どんなまとめやねん。

 

あとウェス・アンダーソン作品は僕も頑張っていくつか観ようと思います。

 

それでは今回はこの辺で。

 

 

 

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