ミュージシャン、俳優として活躍する電気グルーヴのパフォーマー・ピエール瀧さんがコカイン使用の疑いで逮捕されました。
尿検査の結果は黒、本人も20年以上前からの常習を認めていて、正直救いようがありません。
逮捕のニュースは波紋を呼びました。
ピエール瀧とメディアに思うこと
僕と電気グルーヴの出会いなど興味がないだろうけど、当時僕は幼稚園〜小学生くらいで、『ポンキッキーズ』に電気グルーヴの「ポポ」が流れていた。
当時は瀧が出演していた記憶などこれっぽっちも覚えてないけど(スチャダラパーのアニの記憶だけ強烈にある)どうやら出ていたらしい。
そこから電気グルーヴに大ハマり、するようなことは別になかったのだけど、『ロッキング・オン・ジャパン』をきっかけに巻末トークコーナーの『メロン牧場』で彼らの強烈な面白さを知り、また兄が持っていたベスト盤「Singles & Strikes」で彼らの音楽的な真面目さ(とふざけ具合)に衝撃を受けたことは覚えている。
近頃のピエール瀧は俳優としての進出がめざましく、色々な作品に引っ張りだこになっていたことは、邦画をほぼ見ない僕でもよく知っていた。
僕の好きなディズニー映画の『アナと雪の女王』のオラフ声優に抜擢されたことにはひっくりかえった。
まず瀧に思うこととしては、バカだなぁ、ふざけんなよという気持ち。
電気でのぶっ飛んだパフォーマンスや悪ふざけが、クスリのパワーで生み出したものなら、本当にダサい以外表現しようがない。
し、それ以上に今逮捕されたらどうなるかくらい容易に想像できたでしょうが、っていう。
結婚して奥さんも娘もいるのに、逮捕されて、作品も取り下げられて、収入もなくなって・・・ということを想像できなかったのか、という。
本当に、もうどうしようもねぇな、という感じ。
彼の薬物使用発覚により、様々な作品がお蔵入りになっていく(なってしまっている)
それ自体は非常に悲しく残念なことではあるが、今更ながら「あの誠実そうで健全なイメージのピエール瀧が・・・」「ライブではこんな奇行も・・・」という報道には正直うんざりしている。
いやいや、お前らメディアは何を勘違いしてんだよ。
ピエール瀧って、電気グルーヴってもう30年近くアウトロー的存在としてやってきてんじゃん。
それを、何を今更「知りませんでした」みたいな「我々は騙されていた」みたいな顔してんのよ。
視聴者はいいよ。お茶の間はいいよ。
俳優としてのピエール瀧しか知らない人の方が多いんだから。
僕自身矛盾した感情と意見を抱いてる。
(具体的な被害者がいる場合を除いて)出演者の不祥事で作品を引っ込めるのはバカみたいな行為だと思う。
それでも僕は、作品に罪はないとは言い切れないと思う。
いや、作品には罪がないんだけど、彼らの音楽活動や、ぶっ飛んだ発言ばかりのインタビューやトーク本を、オファーする側は誰もチェックしなかったのかと。
内容は正直ジョークにも取れるけど、ふざけてるだけに聞こえるけど、トーク本などで結構過激な発言してるこの人物を、子供が見るアニメーションのキャラクター声優にするのがふさわしいかどうか、考えなかったのか?と。
聞いてるかディズニージャパンよ。
瀧の俳優としての才能を作品に取り込みたい気持ちもわかるし、制作側のサブカル層のファンを取り込みたいというスケベ心とか理解はできるし、それが罪とも思えないけど。どうしてもリスク管理不足は感じる。リスクを覚悟して、そのアウトローな部分も含めて彼のアーティスト性だと信じてリリースしたのならば、引っ込めるのではなくて罪を背負って販売を維持してほしいと思ってしまう。
そりゃ、誰がどんな犯罪に手を染めるかとか、この先どんな発言をするかなんて誰にもわからないけど。
僕だって、電気のファンだって、彼の振る舞いや発言はパフォーマンスやジョークであって、まさか本気で瀧がクスリやってたなんて思ってもみなかったろうし、知らず知らずに消費して楽しんで、結果として騙されたような形になってしまったけど。
ビジネスする側がリスクを無視して美味しいところだけ享受して、ボロが出たらとりあえず引っ込めて「自分は何も関係ありません!騙されたんです!」なんて被害者ヅラするのは、あまりにも無責任だ。
いや、最悪引っ込めてもいい、お蔵入りでもいい、いいけど、もっとちゃんと、どういうつもりで瀧をキャスティングしたのか、「なんも考えずに人気だけで判断しました」って、正直に、きちんと説明してからにしてほしい。

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ディズニー関連のまとめ
ディズニーの日本語吹き替え声優が逮捕された事件としては、『アラジン』で主人公アラジンを務めた羽賀研二が逮捕された事件が思い出される。
DVD『アラジン』スペシャル・エディションを最後にソフトは回収され、現在は三木眞一郎氏による吹き替えが新しく収録されたバージョンが出回っている。
ピエール瀧がディズニーで演じたのは『アナと雪の女王』オラフの吹き替え。
ウォルト・ディズニー・ジャパンはピエール瀧の名前も、理由も一切出さずに「オラフ声優の交代」を告げている。
そりゃ「コカイン」なんて単語、絶対ディズニーのサイトに載せられないよなという理解はするけど、「逮捕」とかいくらでも表現しようがあるだろ。ネガティブでマイナスなイメージを極力排除して無関係を装う姿勢には、正直呆れてしまう。
そして、以下が瀧が逮捕されたことにより影響を受ける作品/ソフトたち。
これらの作品は回収され、オラフの声優を再吹き替えして再販売(もしくは短編を取り除いての販売や再販売なし)されると思われます。
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『アナと雪の女王』本編収録のため。
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中編『アナと雪の女王/家族の思い出』収録 のため。
オラフ登場のため。こちらは「声優吹き替え修正パッチ」をオンラインで配布して対応するようです。
2019年秋公開予定の『アナと雪の女王2』声優交代に関しては、「そらそうだわ」としか言えない。
今年の秋だし。なんとか復帰するにしても、あまりにもほとぼりが冷めていなさすぎる。
過去の作品はともかく、新たに作られる作品まで擁護しろとは僕は思わない。
なんというか、とりあえず残念。
損害こそ大きいけど、誰も物理的に傷ついていない(物理的じゃなければいいという話ではないが)のと、電気グルーヴファンの多くが、この事件を笑い話にできる程度にはピエール瀧と電気グルーヴのことをよく理解しているのが救いでもある。
テレビ局や配給会社やレコード会社にある種怒りこそ覚えるけど、
結局行き着くのは「瀧!何やってんだよ!」って気分だな、僕は。
ドラッグは誰も幸せにしないよ、ほんと。
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