今回は映画の感想と雑記を混ぜこぜに書きたいと思います。
この記事は現在公開中の映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の内容に触れます。
核心的なネタバレは含みませんが、映画の内容に敏感な方はご注意ください。
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9月末に始めたばかりの仕事を辞めた。
辞めたっていうか、辞めたつもりでいるという感じです。
無断欠勤をキメてしまい、もうメンタル的にも顔を出せなくなってしまった。
帰国して、とりあえずなんでもいいからと思って始めた仕事だったけど、あまりにも行き当たりばったりに始めてしまったし、予想以上に忙しく、わかっていたことだけど拘束時間や時間外労働も長く(理由は自分の作業が追いつかないからであって、悪いのは僕自身なのだけど)、学ばなきゃいけないことも多くて、休みの日はひたすら寝るだけのような日々になってしまい、たった1ヶ月ではあったけど、この仕事や生活リズムに慣れる前に体が先に悲鳴をあげてきたので、思い切って逃げてしまった。
悪いのは完全に僕だけど、潰れてしまえば取り返しがつかないと思ったから逃げてしまった。
また無職に逆戻り、早く仕事を見つけないといけない。
その日は朝から活動できるような感じではなかったので、昼まで睡眠をとった後は、とりあえず落ち込んだメンタルを立て直すために、何か食べようと思って夕方から街へ繰り出してフレッシュネスでハンバーガーを食べた。
街をぶらぶらした後、映画館へ向かって飛び込みで『アンダー・ザ・シルバーレイク』を観た。
以前予告編を見た時から気になっていた作品だった。
グロや笑いやオタク歓喜要素が散りばめられていながらも、本筋は謎が謎を呼ぶサスペンス。
だけど、映画の中で現実に起きている出来事と、主人公が目にする現象(妄想、幻覚)の境界が曖昧で、どこからどこまでが本当の謎で、どこからどこまでが空想なのか、難解で全てを理解することはできなかった。
下品だし、エロだし、グロシーンもあるし、一方でどこまでがジョークなのかわからない展開も多くて、めちゃくちゃ面白んだけど、本当の意味で「面白い」というよりは「わけがわからない」という映画ではあった。
この映画を「悪夢版ラ・ラ・ランド」と評した記事があったらしく、言いえて妙だなと思った。
L.Aを舞台に、かつて夢を追いかけていた主人公サム(アンドリュー・ガーフィールド)が今では夢を放棄し、家賃もまともに払えないオタクニートとして生きている。
夢を叶えてきらびやかな世界に居座る人々や、同じように夢を追いかけながらも生きるために裏の世界に身を投じている人々との交流。そして憧れの存在を全否定する人物との出会いなどを通して、「何者にもなれない」主人公の不甲斐なさを描く。
彼が半ば狂ったように「この世界は何かがおかしい」「世界は権力者によって操られている」と考えてしまうのは、彼自身がオタク的妄想を抱えているからだけでなく、かつて夢を抱いてハリウッドからほど近いこのシルバーレイクへとやってきた彼が、負け犬なりにそれを暴くことで「真相にたどり着いた人」となり「何者でもない自分」からの脱却を願うからだ。
劇中主人公が吐露した「本来あるべき人生の間違ったルートを進んでいる」(ちゃんとしたセリフは覚えてないです)というようなセリフが、ずっと胸に刺さっている。
たまたま仕事をバックれた日に見たこの映画に、こんなにも胸が刺されるセリフを言われるとは思わなかった。
ブログを読んでもらえればわかるように、僕は人生を楽しんでいると思う。
好きなことをずっと続けて、好きなもので周りを固めて、好きな場所に行ってを繰り返している。
それでも、年をとるごとに行き場のない不安や、今後のことがずっと頭の中を支配している。こと仕事やお金のことに関して「こんな人生のはずじゃなかったのになぁ」と僕は思ってしまう。
追いかけて挫折した夢や、学びたい・身に付けたいと思っていた色々なことが全て中途半端に投げ出されてしまっている。
一発逆転、とまでは考えてなかったけど、何かを変えたいと思って行ったカナダでも結局ほとんど何もつかめず帰ってきてしまった。帰ってきてさらに現実を突きつけられたりもした。
何かを極めたこともなく、ずっと井の中の蛙として、特別な何かになれずに生きている。時間が戻るなら、過去に戻ってやり直したいと僕は思ってる。
「特別な何かになんかなる必要はない、生きていくことが一番大事」という考えも僕は持っている、けどそれがどうしても負け犬理論的に心に引っかかってしまう部分がある。
同級生たちは一流の会社に勤めていたり、家庭を持っていたりする。
僕はどうだ。無職のただのオタクだ。
どうして世の中はこんなに生きづらいのだろう。
どうして僕は人より体が弱く体力がないのだろう。
どうしてこんなにも自分の気持ちが割り切れないのだろう。
どうして僕はこんなに本音と建前が下手なんだろう。
自分は人としてダメかもしれない。
ダメなことをしてしまった、情けない、でも生きなきゃいけない、体も精神も壊したくない。
ずっとそんなことばかり考えている。
『アンダー・ザ・シルバーレイク』は、重く、苦しく、下品で、間抜けで、辛かった。
万人受けはしないだろうし、見る人をかなり選ぶ映画だと思う。
不思議な魅力が取り付いてはいるものの、面白いかどうかも僕にはよくわからない。
だけど、そんな仕事をバックれた日に、たまたま観に行ったこの『アンダー・ザ・シルバーレイク』を僕は一生忘れないと思う。
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