生きていくなんてわけないよ

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ふつうに、きちんと、力強く。『アナと雪の女王2』だから描けた成熟。

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『アナ雪2』(『アナと雪の女王2』 原題:Frozen Ⅱ)観ました。休み入れてたわけじゃなかったのですが、運良く休日になり公開初日に。テンション上がってIMAX字幕とドルビーアトモス吹替で2回観ちゃった。

良かったね。楽しかったね。

 

もうなんていうか、語ることが見当たらないくらい清々しい作品でした。

 

例によって「前作を超えた!」とはよー言わんのですが。最近のディズニー続編と毛色も変えてきていて、よかったよ、ちゃんと。

 

というわけで感想です。

 

※この記事は現在公開中の映画『アナと雪の女王2』のネタバレにならぬよう配慮していますが、物語の流れや劇中の展開を予測しうるような構成になっています。映画未見の方は十分ご注意ください。

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目次

 

ここ最近のディズニー続編

ここ最近のディズニー続編は、僕の周辺では結構評判が悪いことが多い。

具体的に作品名を挙げると『シュガー・ラッシュ:オンライン』と『トイ・ストーリー4』である。

僕はこれら2つとも(これらも「前作を超えた!」とは言わないけど)とても好きな作品だ。

 

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この二つの作品は、主人公たちが前作と全く異なる決断をするという点、や「ずっと一緒」だったはずのキャラクターたちが別れを受け入れるという展開が、多くのファンの心にモヤモヤを残した(だけでなく切り裂かれた人もいるだろう)。

 

本作『アナと雪の女王2』はその作品の流れから、多くのファンに同じように不安を掻き立てていた。アナとエルサの関係が引き裂かれてしまうのではないか。と言った具合にだ。

 

僕自身はというと、とてもひねくれているので周りが「アナとエルサが離れ離れになったらどうしよう・・・」とおセンチモードに入っているのを見るにつけ、心の中で「まぁ、なるやろな」くらいには思っていた。

 

テーマは「成熟」

結果としてはどうだったのか。明言は避けるが、ディズニーは『シュガー・ラッシュ:オンライン』と『トイ・ストーリー4』を経て、やはり成長したのだと思う。

この二作品だって、闇雲に主人公たちの仲を切り裂いたわけではない。これが現実であり、彼らにとっての成長であるという描写が少なからずされてきた上での、彼らの「別々の道の選択」だった。

 

『アナと雪の女王2』では、実りの季節である秋を舞台に、前作から3年後のアナやエルサ、オラフにクリストフ、スヴェンを描く。

本作のテーマは「成熟」であると、監督のクリス・バックが語ったそうである。

前作では生まれたばかりで「うん、なんで?」と赤ちゃんのように聞き返していたオラフも、本作では物知り顔でトリビアを披露しまくる。

 

劇中起こる様々な出来事により、姉妹は思いはすれ違ったり、アナとクリストフも思うように行かなかったりする。生きていくことで人は成長し、変化する。それは止めることができない。できないが、それを受け入れることで成熟していく。

 

僕自身が最も心を動かされたのはアナの成長だ。絶望の淵に立たされた彼女がおこなった行動は、それまでの彼女ではできなかった行為でもあり、またとても彼女らしい行為であるとも思う。劇中何気なく交わされたマティアス将軍との会話が、彼女に影響を及ぼしたのだろうというさりげなさも良い。

 

変化して、成熟する。だが全てが変わってしまうわけではない。

だからこそ劇中歌の「Some Things Never Change」(変わらないものもある)という言葉が響く。

 

ディズニー自身もまたその『シュガー・ラッシュ:オンライン』や『トイ・ストーリー4』を経て変化し、この「バランス感」を身につけて成熟したのだろう。

『シュガー・ラッシュ:オンライン』や『トイ・ストーリー4』に比べればインパクトには欠けるかもしれない。それでもより多幸感に溢れたエンディングを迎えることができる。

 

ふつうに、きちんと、力強く。

『アナと雪の女王2』を観て、正直最近観たばかりの(そして酷評したばかりの)『マレフィセント2』を思い出してしまった。

前作が日本公開された2014年当時は逆で『マレフィセント』を観て『アナと雪の女王』を思い出したりしたのだが、それはまた別の話。

 

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この2つ、結構似ているのだ。

『アナと雪の女王2』は前作と比べると、世間へ向けてのメッセージ性がそこまで強くない。そもそも『アナと雪の女王』がディズニー史的にも、アニメ映画史的にも、ストーリー的にも、社会へのメッセージ性が強いエポックメイキング的存在だったからこそ、『2』は余計に軽く感じてしまう。

 

前作よりよりダークになったところも、戦闘シーンに多くが費やされているところも、主人公エルサが自身のとんでもない秘密を知る展開や、異民族との戦争を物語に組み込んでいるところもよく似ている。

よく似ているからこそ、この二作品の間の圧倒的な違いが浮き彫りになってくる。

 

やはり、全く違うのが作り手側の力量、そして作品への愛だろう。

プロットや展開は割とありきたりだ。観てる途中でオチも読めてしまうような、前作とは全くやり方を変えた作品だ。前述したようにメッセージ性も強くない。それでも観客を魅了するだけのしっかりとした拘りと、この『アナと雪の女王2』を観るために穴があくほど前作を見返してきたファンへ向けてのサービスが存分に詰まっている。

 

バキバキの戦闘シーンばっかりだったのには結構度肝を抜かれたけど、もうディズニーは(少なくとも「アナ雪」に関しては)フェミニズムを大声で叫ばなくても「何の説明もなく女の子がバキバキに戦っている」というだけでも「『アナ雪』観た人ならわかってるよね?今の時代そんなの普通でしょ?わからない方が遅れてるんだよ」と突き放していくようにも見える。いい意味で視聴者を甘やかさない。

 

「そこにそんなに時間割くの??ふざけすぎじゃない??」というようなシーンもあるにはある。けど、『アナと雪の女王』だからこそ、笑って済ませられる。ファンがキャラクターを愛しているからだ。

 

ロペス夫妻の作った劇中歌も前作ほどではないにせよ、しっかり耳に残る、さすがとしか言いようのない楽曲群ばかりである。そして前作以上に「ミュージカル」しているのもポイントだろう。全く飽きない。

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 アレンデール・フォーエバー

 

『アナと雪の女王2』はいいぞ。

 

なんども言うが、『アナと雪の女王2』は本当に清々しい作品だ。

製作陣がきちんと「これで完結」と言ってくれたのも良かったし、何よりあのエンドを笑顔で受け入れられた。(ぶっちゃけ泣いていたが。)

 

1作目とどっちが、なんて言うのは決められない、というか僕は基本的に(当初から南部作として計画して作られたわけでない限り)「1作目を超えることはない」と思っている人なので圧倒的に1作目派だけど、それでも今回は「2本で1本の映画だな」って言えるくらいには満足のいく出来だったと思う。

 

アナとエルサにはこれからも仲良く、そして幸せに暮らして欲しい。

ピンチや大冒険じゃなくて、今までの短編みたいな「その後の彼女たち」って感じの作品ならまた是非観たい。

 

アレンデールは続いていく。

 

 

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