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『劇場版 名探偵コナン 黒鉄の魚影』とスピッツ「美しい鰭」について。

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小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

 

このブログでも度々楽曲紹介している、私の大好きなバンド、スピッツが『劇場版 名探偵コナン』の主題歌を担当するという報せを聞いた時、私は「今年は行くか・・・」と決意した。

 

コナン映画を劇場で見るのはこのブログでも書いた『紺青の拳』以来だ。

間でCOVID-19の流行による『緋色の弾丸』の1年公開延期などもあったりしたのも懐かしい。

(そういえば『緋色の弾丸』の主題歌は私の大好きな東京事変、『ハロウィンの花嫁』はBUMP OF CHICKENだった・・・)

 

国内アニメに対する興味がてんでない私ではあるが、妻の姉妹が揃ってコナンファンであったりで、前回劇場で映画を見たときよりもコナンに対するポジティブさは増しており、そもそも子供の頃はコナン大好き少年であったこともある。

 

そこにスピッツが主題歌、しかも今回黒の組織回!という注目要素高めのストーリーにも比較的期待しながら見に行くこととなった。

ちなみに予習ではないんだけど直前にTV放送された『ハロウィンの花嫁』は観ました。あれもすごい面白かったよ。犯人すぐわかったけどね(ドヤ)

 

というわけで、珍しくディズニーに無関係な映画×楽曲レビューです。

 

※この記事は現在公開中の映画『劇場版 名探偵コナン 黒鉄の魚影』のネタバレを含みます。

 

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目次

 

アクションものとしての楽しさ

コナン劇場版といえば、ハリウッド映画並みにスケールのインフレを起こしたようなド派手な建築物の破壊シーンなどがやはり見所と言える。

 

本作も例に漏れず、海に浮かぶ超巨大なインターポールの施設「パシフィック・ブイ」が登場し、そしてこういう舞台が出てくるということは当然ながら、きちーんと、ものの見事にぶっこわれる。タイトルから想像できる通りにサブマリンの魚雷によって。

 

もちろん、そういうスケールのでかさというのは、コナン映画の見所の一つであり「今回はどんな建物がどのように破壊されるんだろう?」みたいなワクワクは毎度あるのだが、私が一番テンションが上がったのは、

黒の組織による灰原哀拉致の場面、突如参戦した蘭と、映画オリジナルキャラ、ピンガとの肉弾戦が始まった瞬間であった。

 

本作でフィーチャーされているキャラクターは灰原哀と黒の組織。

私のコナン歴の浅さからすれば、一番コミックスを読んでいたのが赤井秀一登場らへんなので、服部平次、怪盗キッド、灰原哀あたりのメインキャラクターが絡む回が一番テンションが上がる。

 

そもそも「探偵推理もの」として始まった、主に(事件という非日常はあるにせよ)超人の登場しない日常生活を描く物語である『名探偵コナン』に、いわゆる「バトルシーン」を組み込むところが面白い。

また、江戸川コナン=工藤新一であることが組織にバレないようにするため、またコナン自身の心情として周囲の無関係な人々を巻き込まないため、いかに「蘭達を黒の組織と関わらせないか」が、『名探偵コナン』をシリーズとして続けていく(引き延ばす)上では重要であるはずだ、だがより映画をスリリングにするため、その鉄則を破り、「灰原哀の拉致」と黒の組織のコードネームエージェントとの肉弾戦を繰り広げる。しかもそのすぐ近くにはウォッカとキャンティまでいる状態で。

その後のコナンと阿笠博士によるカーチェイスシーンも手に汗握るハラハラ展開で、今作の一番の見所だったように思う。

 

ただ、難しいところで、本作で灰原哀・コナンの正体や、蘭たち密に関わらせてしまっていたということは、そのままにしておくと、通常アニメ回のストーリーが一気に完結に近づいてしまうので、その「後始末」が必要になる。

その後始末が、ある程度本編にも関わりはありそうなものの、比較的予想の範囲内というか「まぁそうするしかないよなぁ」くらいの内容だったのと、やはり「ジンとウォッカって本当は無能なのでは?」みたいな気の抜け方が感じられてしまうのは、少しストーリーを尻すぼみにしてしまっているような気がする。

 

『美しい鰭』に重なるキャラクター像

映画の本編が終わって、エンディングが歌詞とともに流れると、それまでの張り詰めた空気が緩んでいくような柔らかさに包まれる。スピッツの新曲『美しい鰭』はそんな曲だった。

 

また歌詞を見ながら曲を聴くと、その軽快さとは裏腹に、「この曲は灰原哀の曲だな」という気持ちにさせられるフレーズがいくつも込められていたし、軽快だが、その旋律はセンチメンタルにも感じられる。

 

また映画オリジナルキャラで、灰原哀(の正体の宮野志保)の小学生時代の友人、直美・アルジェントの曲のようにも聞こえるようになっている。

 

二人とも、開発者であり、灰原にはコナンが、直美には志保という「助けられた存在」

がいることを踏まえて歌詞を読むと、キャラクターの想いが投影されているような印象を受ける。

想いを伝えられない気恥ずかしさと、一筋縄ではいかない現実の過酷さと、それでも前に進んでいこうとするポジティブな潔さ。

 

差別や犯罪という悪意、負の感情のような現実の「逆流」に流されるのではなく、抗っていく、その行動や決意を表したような、素晴らしい歌詞だ。

 

黒の組織回という重くてシリアスすぎる映画に、スピッツという柔らかなバンドのやさしい曲がこんなにもピッタリとハマるのは、彼らが普段から現実の過酷さに抗うこと選んだ人たちを応援するような曲を多く歌っているからだろう。

そして、「波音で消されちゃった」のような、それこそ照れ隠しのような歌詞の始まりがスピッツらしさ全開で、シリアスから一転、軽快に音楽が流れる映画の雰囲気のギャップとも実にマッチしているように思う。

 

原作ファンにも嬉しい

コナン映画は、映画で登場したキャラクターや設定が逆輸入されたりといった展開があるため、実は原作ファンにも目が離せない内容になっている。

漫画でもアニメでもおなじみの白鳥警部などは実は『時計仕掛けの摩天楼』のオリジナルキャラだったし、怪盗キッドがコナンの正体を知っているという設定も『世紀末の魔術師』が先出しだった。

 

本作では灰原がメインの話であるということもあり、原作で灰原が登場したばかりの「競技場無差別脅迫事件」であった、コナンが灰原に自分のメガネをかけさせるシーンをリフレインさせているなど、ファンにも嬉しい。

 

またピンガが黒の組織のNo.2ラムの側近であるであったり、黒の組織が直美の開発した老若認証システムを奪おうとしているところから、「実はNo.2のラムでさえ組織のボスの現在の姿を知らない/所在を知らない」というような新事実の描写があったりと、アニメや漫画本編がこれから急展開を迎えることに対する期待も高くなる。

 

とってもよかった

見にいく数日前に『ハロウィンの花嫁』を見ていて、妻と「面白かったね」と言っていたけど、今作も本当に面白かった。

 

どれくらい面白かったかというと、アマプラでコナンの映画遡って見ているくらいには面白かったです。ちょっと沼だわ、これ。

 

この熱量がどこまで続くかはわかりませんが、またコミックスも買いあさろうかなぁとか、ちょっと考えたりするくらいには燃えています。

コナン、おもしろいわ。

美しい鰭

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