これは正確にはまとめ買いの時に買ったのではなく、まとめ買い時のキャンペーンで「もう1枚プレゼント」してもらった映画。
期間限定・プレゼント限定でデッドプールのアウターケースもついて来ました。
デヴィット・フィンチャー監督、ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演、ヒロインにヘレナ・ボナム=カーター、脇役でジャレッド・レトも出演している言わずと知れた名作。
言わずと知れた名作だけあって名前だけはよく聞いていたのだが、バイオレンスな内容からテレビ放送もほぼされないし、自ら率先してみようと思わなければ出会わない作品でもあると思う。
という言い訳で私も長らく「名前だけ知っている映画」止まりだったのだが、twitterでフォローさせてもらっているジャンクションくん( @Junction_1031 )がブログに書いていて興味を持ったため、今回blu-rayを手に入れるに至った。ジャンクションくんありがとうございます。
(『ファイトクラブ』のネタバレを含むので注意/僕は観る前に読んだけど)
そもそも僕はこれを読むまで『ファイト・クラブ』にエドワード・ノートンが出演していることすら知らなかった。無知は怖いし学びは楽しい。
『ファイト・クラブ』
自動車会社で働く主人公「僕(エドワード・ノートン)」は国中を飛び回り自動車のリコール調査を行なっていた。高級マンションに棲み、イケアの家具を揃え、雑誌で紹介されているような「理想的な居住空間」を実現するも、実体としては得体の知れない不眠症に悩まされ続けていた。
ある日「僕」は仕事の飛行機で石鹸の行商人であるタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会う。その日、自室で爆発事故が起こり、住む場所を失くした「僕」はタイラーに助けを求める。
タイラーはユーモアに溢れた危険な男であり、自分とは全く正反対の人間だったが、「僕」は圧倒的なカリスマ性をもつ彼に惹かれ意気投合する。バーを出た後、タイラーが「力一杯俺を殴れ」と言ったことがきっかけで、「僕」とタイラーは時折本気の殴り合いをするようになる。
次第に殴り合いに参加する人々が増え、場所を地下に移し、「ファイト・クラブ」が結成されるようになる。
痛みの中で生きている実感を感じられるようになった「僕」はもはや不眠を感じなくなっていた。
タイラーの住む廃屋で二人暮らしをするようになった「僕」は、彼から簡単なテロの起こし方や、高級石鹸の作り方などを学ぶようになる。
次第に「ファイトクラブ」ではタイラーから様々な「宿題」が課されるようになり、クラブに賛同した人々はそれをこなすようになる。「宿題」はやがて社会への破壊工作「騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)」となり、クラブはテロリスト集団へと姿を変えていく。「僕」はタイラーが自分を置き去りにして、目的を謎に包んだまま計画を進めていくことに苛立ちを覚え始める。
社会への疑念、タイラーのカリスマ性と逆説的に愛を説く名作
『ファイト・クラブ』が秀逸なのはその逆説性である。
物質至上主義、消費市場主義の社会に疑念を持ち、「自分は権力者に飼いならされているだけなのではないか?」というテーマを大々的に掲げ、危険な思想の持ち主であるタイラー・ダーデンが主導者としていたずらやテロを起こしまくる。
退屈で平凡な日々に別れを告げ、人々を解放するという大義名分を掲げて社会的権威を出し抜いいていく姿勢は、いかにも反社会的であり暴力や犯罪を肯定している映画のように取れるし、ある種そういうメッセージも含まれているのだろう。この映画のその側面だけを過信してハマっている人もいると思う。
だが私がより強く感じたのは主人公「僕」の不器用さと、「本当に求めていたもの」としての愛の形である。
2時間近く痛々しく過激な犯罪行為を見せつけられながらも、彼が辿り着く「答え」はあまりにも小さな自己承認であり、大義名分を掲げ過激なテロを起こすカルト的な集団の行為を否定していく。
どれだけ「人々を救う」「社会の悪を倒す」という大義名分を掲げても、始まりは「退屈な日々」と「刺激」であり、「ギリギリで生きるスリル」と「痛みにより得られる生の喜び」を傲慢に快楽として享受していく主人公たち。
そしてその溝を埋める反社会的行為の代用が「愛」であることを説く。
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ネタバレ:構成としての驚き
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私自身はこの作品の1番の旨味である『二重人格モノ』という部分を知ってから映画を見ている。公開後20年近く経っているのでその部分のネタバレを既に知ってから観る人も多いだろう。
エドワード・ノートンはマーベル映画『インクレディブル・ハルク』で「制御できないもう一人の自分」を再び演じることになるが、『インクレディブル・ハルク』が二重人格を自認し思い悩む姿がキモになっているのに比べ『ファイト・クラブ』は二重人格というミステリ要素がキモになっているのも面白い。
個人的に思い出したのはジョニー・デップ主演の『シークレット・ウィンドウ』だ。
スティーブン・キングの原作小説をデヴィット・コープ監督で映画化した作品で、反響はそれほどだったが、僕個人はこの展開に驚かされた。
また私自身は未見だが、リチャード・ギア主演『真実の行方』においても、本作がデビュー作となるエドワード・ノートンが怪演を見せているらしく実に興味深い。
どうやらエドワード・ノートンは二重人格キャラをやらせたら天下一品なんだな。
前述の通り私自身は『ファイト・クラブ』を二重人格モノであると知って映画を観た。
それでも映画の各所に散りばめられている丁寧なヒントやサブリミナルを見つけていくのは非常に面白く、構成のうまさに感心せざるを得ない。
一見何の関係もないような暇つぶしに見えていた行為が、それぞれ「計画」の一部として機能し、最後にはパズルのように組み合わされていく様子も二重人格モノとは別のスリルで映画的な驚きを感じられる仕組みになっている。
前述した複数層にまたがるメッセージ性も作品の価値を高めているだろう。
どうしても内容がバイオレンスに寄ってしまうために、個人的には観た後にどっと疲れが襲ってくるので何度も繰り返し観るような作品には今後ならないだろうが、名作と呼ばれカルト的人気を博すのも納得な出来であることは間違いない。
まとめ買い映画レビュー シリーズ
- 【まとめ買い映画レビュー その1】『ミクロの決死圏』
- 【まとめ買い映画レビュー その2】『ファイト・クラブ』
- 【まとめ買い映画レビュー その3】『サウンド・オブ・ミュージック』
- 【まとめ買い映画レビュー その4】『エイリアン』
- 【まとめ買い映画レビュー その5】『アニー・ホール』
- 【まとめ買い映画レビュー その6】『ロッキー・ホラー・ショー』
- 【まとめ買い映画レビュー その7】『プレデター』
- 【まとめ買い映画レビュー その8】『グランド・ブダペスト・ホテル』
- 【まとめ買い映画レビュー その9】『オデッセイ』
- 【まとめ買い映画レビュー その10】『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』