2020年4月29日に亡くなられた俳優イルファーン・カーン氏のご冥福をお祈りいたします。
映画が公開されてた2013年は「つまんなさそ〜」って思って観てなかったんですよね。
とんでもなかった。
めちゃくちゃ面白い映画でした。
そして、重い。キツイ。
目次
ライフ・オブ・パイ
主人公パイの一家はインドで動物園を経営している。
パイの本名はピシンだったが、ピシンは「尿」を意味する言葉に近い発音だったため、名前は円周率πから自らをパイと名付けた。彼は膨大な円周率を暗記できるほどに聡明で、またヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教を同時に信仰する他宗教信者、またベジタリアンでもあった。
ある日、動物園に「リチャード・パーカー」と間違って名付けられたベンガルトラがやってくる。パイはリチャード・パーカーに挨拶をしようとして恐ろしい目にあい、罰として父親にリチャード・パーカーが子ヤギを食べるところを見せつけられる。
16歳の年、船でカナダへ移住し動物を売りにいくことになるが、船は嵐に遭い難破。救命ボートに乗り生き残ったのはパイと、シマウマ、ハイエナ、オレンジジュースという名前のメスのオランウータン、そしてリチャード・パーカーだった。
救命ボートの上でハイエナがシマウマとオランウータンを襲い、リチャード・パーカーがさらにハイエナを襲う。辛くも生き延びたパイだったが、救命ボートでベンガルトラのリチャード・パーカーと漂流し続けることとなる。
漂流モノでも、友情モノでもない
ネタバレになるのでこのブログでどこまで語るべきか、というのは非常に悩みます。
とりあえず、1周目はまんまと騙されてしまいました。
この『ライフ・オブ・パイ』という映画は漂流モノであることには間違い無いのだけど、その裏に隠されたテーマは非常に重く、深いものです。
そしてベンガルトラのリチャード・パーカーと主人公パイの友情モノかと思うとそれもまた違う。
他宗教者であるパイの信仰心と生存本能との戦い、そして葛藤の物語。
そして生きる信念とも言える生存本能を反映したリチャード・パーカーという存在。
とりあえず1回目は何も考えずに見て、2周目に様々な伏線や暗喩を拾っていく、WEBに転がっている考察を読みながら理解を深めていくというのがいいのではないでしょうか。
最後まで見ないとわかりにくい話ではありますが、
だからこそ最後の「語り」の衝撃は計り知れない。
映像は素晴らしく、超ファンタジック。
僕自身最初は「こんなんありえないでしょ」と思いながら見ていたけど、
それでもいいんです。
「人は信じたい物語を信じる」のだから。
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