『スター・ウォーズ:最後のジェダイ』と『ハリー・ポッターと呪いの子』に思うこと。

僕は「スター・ウォーズ」も「ハリー・ポッター」も大好きです。

「ハリー・ポッター」は原作小説から入ったクチで、間にブランクもあるし、映画も劇場まで足を運んだのは「秘密の部屋」までという、わりとフワッとしたファンではあるけど、まぁ比較的好きな方だと思う。

「スター・ウォーズ」もそう。胸を張ってオタクとは言わないけど、それなりに好き。

 

 それで、賛否両論あるかもしれないけど「スター・ウォーズ」の「フォースの覚醒」から始まった三部作「シークエル・トリロジー」とJ.K.ローリングが手がけた「ハリー・ポッター」シリーズの正統なる続編(?)である舞台劇「ハリー・ポッターと呪いの子」は、内容は全く異なれど、同じような性質を持った作品だと思う。

そして、先ほど言ったように「内容が全く異なった」ことにより、具体的には「呪いの子」で心底がっかりした僕の気持ちを「最後のジェダイ」は埋めてくれた、そんな気がしたのです。

 

ということで今回この2作について書きます。ネタバレ含む。

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ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ)

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  • 発売日: 2016/11/11
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 目次

 

 

「シークエル三部作」と「呪いの子」の共通点

「スター・ウォーズ」と「ハリー・ポッター」

 当たり前だけど「スター・ウォーズ」と「ハリー・ポッター」はそもそも全然違う物語だ。SFと魔法ファンタジー。スター・ウォーズの世界は遠い昔はるか彼方の銀河系で起こる物語だし、ハリー・ポッターの世界は(原作には)SONYのプレイステーションすら登場する現代のイギリスだ。(ちなみにハリーは1980年生まれ。11歳の1991年から物語はスタートする)

「スター・ウォーズ」は映画から始まったが、「ハリー・ポッター」のそもそもの始まりは小説だし(映画自体は良くできてはいるが第7巻「死の秘宝」の杖の忠誠心や分霊箱設定を複雑にしすぎた結果、映画だけ見ててもほとんどわけがわからん感じになっている)、もっというと「呪いの子」は舞台劇だし、実際のところ僕はまだ劇を観ていなくて、出版されている劇の脚本の日本語訳を読んだだけにすぎない。

 

この2作の共通点は「主人公が己のカルマを乗り越える」ところにある。当たり前じゃんかという話ではあるけど。

どちらも自分が生まれる前や生まれてすぐの「知らない間に存在した因縁」に立ち向かわざるを得ない話だ。

ルークは実の父ダース・ベイダー。ハリーは両親を殺したヴォルデモート(劇中で実は遠い血縁関係にあることがわかる、というか原作に出てくる魔法使いはほぼ親戚)。

ダース・ベイダーは闇の帝王の側近で、ヴォルデモートは闇の帝王。

設定こそ違うけど、似た性質はある。

 

じゃあこの2作の、特に「シークエル三部作」と「呪いの子」の共通点とは何かというと「子世代の物語」ということに尽きる。

「スター・ウォーズ」ではプリンセス・レイアとハン=ソロの子、ベン=ソロことカイロ・レンの世代の物語であり、「呪いの子」ではハリー・ポッターとジニー・ウィーズリーの子アルバス・セブルス・ポッターと、ドラコ・マルフォイの子スコーピウス・マルフォイが主人公だ。

そしてどちらの物語も「あれは誰の子なのか」とか「〇〇の子は存在するのか」という血縁に関する疑問がつきまとっている。特に「呪いの子」はそれを物語の一番の謎として描かれていた。

「呪いの子」のがっかりポイント

誰が主人公?

前述したように、僕は「呪いの子」でそれはもうがっかりした。超がっかりした。

具体的にどこらへんでがっかりしたかというと「ハリー・ポッター」の新しい世界への冒険がほとんどなく、既存のキャラクターと設定に終始しているところである。

もちろん主人公はアルバスとスコーピウスなのだけど、彼らはハリーとドラコの子だ。

しかも性格がどうも本編ハリーやロンたちの「優しくていたずら好き、コンプレックスあり」というところから変化がない。変化がない上に彼ら両親世代のシーンがしっかりとページを割かれていて、タイトルの通り「ハリー・ポッターが主人公の物語」の域を出ない。物語を動かしていくのはアルバスたちなのに、最終的に「ハリーが子供達の育て方に悩んで頑張った話」みたいになってる。

 

既存設定のリサイクル

そして世界観やアイテム。

舞台はホグワーツや魔法省。そして出てくるキーアイテムが3巻「アズカバンの囚人」に登場する過去に遡ることができる「逆転時計(タイムターナー)」(関係ないけどMacで「タイムターナー」とカタカナで打ったら「逆転時計」と自動変換されてびっくりした。)

で、あろうことか「ハリーたち親世代の時代へ行き過去を改変する(してしまう)」のである。

 

あたらしい要素もほとんど出てこない上に冒険の内容が過去作ありきのタイムスリップもの。新規ファン獲得は「ファンタスティック・ビースト」のシリーズでやるからと、本作は徹底してスピンオフにとどめたのだろうけど、本気でこれ「ファンフィクションなのでは?」と思ってしまった程度にはJ.K.ローリング特有の独創性が薄くて二次創作っぽさがすごかった。

 「歴史改変で三校対抗杯で恥を晒されたセドリック・ディゴリーが死喰い人になってしまった!」というのも、原作小説で聖人君子のように描かれていたセドリックに対し「彼の自尊心とか正義感ってその程度のものだったのか・・・」と思ってしまった。

オチ。

きわめつけはオチ。

「アルバスたちと行動を共にしていた謎の女が実はヴォルデモートとベラトリックス・レストレンジの娘だった」というもの。

ベラトリックス・レストレンジは映画ではヘレナ・ボナム・カーターが演じたサイコパスです。5巻でハリーの後見人シリウス・ブラックを殺害したりした人。

 

ここはもう好き嫌いだけの話になってしまうと思うのだけど。

「J.K.ローリングさん、ヴォルデモートのキャラほんまにそれでええんか」という感じ。

 

第7巻「死の秘宝」の1年の間にバリバリ戦闘に参加していたベラトリックス・レストレンジが実は子供を産んでいた、というのもめちゃくちゃ無理があるような気がするし。まぁ闇の帝王の側近も側近で、しかも魔女なので普通の人間の精神力や体力とは比べものにならないものがあるのだろうけど、そんな雑な設定でいいの!?本当にいいの!?って思ってしまった。

この「別になくても良い」(個人的な感想です)スピンオフ1本のせいで、大作「ハリー・ポッター全7作」にケチがつくような、それくらい「安易な設定」に感じてしまった。

 

スター・ウォーズ「シークエル三部作」

スター・ウォーズは貧しい砂漠の惑星タトゥイーンで燻る青年ルーク・スカイウォーカーが何の因果か闇の帝王とその側近ダース・ベイダーを倒し英雄になる物語である。

そして「新三部作」では時間を遡って最強の闇のフォースの使い手ダース・ベイダーはいかにして生まれたかを描いた。

一般教養として周知の通り、ルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーは親子である。EP5(公開順で言う2作目)「帝国の逆襲」のベイダーがルークに真実を打ち明けるシーンは映画史に残る名シーンだ。

スター・ウォーズは「宇宙の平和を守るための戦争映画」でもありつつ「家族の絆の物語」でもあり、そして「スカイウォーカー家」という一つの血統に縛られた物語であるという認識が強かった。今までは。

 

主人公レイと敵役カイロ・レン

実際に「シークエル三部作」でもそういう側面はある。カイロ・レンはスカイウォーカー家の血を継ぐレイアの子供でダース・ベイダーの孫にあたる。けれども、敵役である限りこの三部作で(彼がライトサイドに寝返らない限り)彼が死んでスカイウォーカー家が滅びるのは容易に想像できる。

となるとファンが気になるのは主人公レイの血統であり、EP7「フォースの覚醒」では思わせぶりなシーンだけを描き回答は先延ばしにされ、「一体誰の子なのか」という予測が次々と立てられた。「ルークの子に間違いない」とか「ソロやレイアたちの隠し子」とか。

 

そして最新作EP8「最後のジェダイ」での回答が「普通の家の子だよ^^」という。

 

 

個人的にはこの判断は正解だったと思う。

僕は「最後のジェダイ」はぶっちゃけ全然期待してなかった。

フォースの覚醒の時には「新しいスターウォーズだ!」と大興奮しながら前売りチケットを買って公開まで待っていたけれど、今回はワーホリ中だったりこちらで仕事を始めたばかりでそれどころじゃなかった。

し、僕も「レイが誰の子なのか問題」が気になっていて「でも誰かの子だったら『いかにもスター・ウォーズ的な展開』で真新しさもなく、実に寒いよな」と思っていた。

だから期待はほとんどしていなかった。(その割には初日1回目のIMAXで観に行った)

 

 

そしたら違ったのである。

 

監督が自分が寒いと思っていた展開をきちんと避けてくれた。

 

ライアン・ジョンソン監督はTVアニメシリーズや設定本など細かい既存設定を再利用しながらも、完全に「全く新しいスター・ウォーズ」を作ることに挑戦していた。

そこが僕には刺激的だったし、長い長い152分があっという間に感じた。

もちろん映画としてそもそも不出来という意見がたくさんあるのも知っているけど、少なくとも僕はそんなこと一切気にならない程度には「惹かれるシーン」の連続に圧倒された。

 

再び「最後のジェダイ」と「呪いの子」

既存キャラクターと既存設定をリサイクルして「ヴォルデモートとレストレンジの子」という安易な二次創作風な続編を作ってしまった「ハリー・ポッター・シリーズ」と

既存設定を活かしながらもあえて思いっきり伝統をぶち壊して見せた「スター・ウォーズ・シリーズ」

 

そもそも比べること自体がおかしいという気がしないでもないけど、「呪いの子」のモヤモヤを「最後のジェダイ」は取り払ってくれた。と個人的に思う。

 

舞台劇の脚本と映画なので、土台が全く違うし、「呪いの子」は松岡佑子訳の日本語版なので感情表現の甘さとか、インパクトの面でアルバスたちの葛藤とカイロ・レンの葛藤は現時点では比べられないけど、「呪いの子」が思春期の少年たちの葛藤を描く以上にハリーたち親世代の苦悩にスポットを当てていたのも気になったし、一方で「最後のジェダイ」はアダム・ドライバー演じるカイロ・レンの迫真演技もかなり良かった。

 

まとめと余談

「スター・ウォーズ」「ハリー・ポッター」も両方好きだから両方それなりに思い入れがあるのだけど、少なくとも僕はこう思いました。賛否両論あると思いますが、ぜひ同じようにどちらもファンな人の意見を聞きたいですね。

「ハリー・ポッター・シリーズ」はやはり期待すべきは「ファンタスティック・ビースト」ですね。新しいキャラクターたちと新設定・既存設定織り交ぜた展開で、「ハリー・ポッター」全く知らない人も大ファンも楽しめるすごい作品だったと思います。多分デヴィット・イェーツ監督の力量もすごいんだけど。

 

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新規顧客獲得でいうと、やっぱりスター・ウォーズよりもハリポタ/FBシリーズの方が一枚上手かなぁと思います。スターウォーズってけっこうバカな映画なんだけど、お堅いイメージでもあるのかなぁ。

ディズニーVSワーナーでいうとアメコミ戦争ではマーベルを抱えるディズニーが圧勝、スターウォーズとハリポタならハリポタの方がちょっと分がいいかな、という感じですね。お互い切磋琢磨して面白い映画をどんどん作っていってほしいものです。

 

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