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飛行ロマン&ヒーロー映画『ロケッティア』この主人公を愛せるか。

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今年初のD23 EXPO JAPAN、および先日まで松屋銀座で行われていた「ディズニーアーカイブス展」

歴代のディズニー実写映画の衣装やアトラクションのプロップスなどが展示され話題となっていた中で、比較的知名度が低いであろうディズニー実写作品の衣装も展示されていた。

 

それが『ロケッティア』である。

 

ぶっちゃけ僕はこの「ウォルト・ディズニー・アーカイブス展」には行けてないのだけど、ニュースでディズニーが『ロケッティア』を自社の子供向けチャンネル「ディズニージュニア」でアニメシリーズ化するという噂が流れ、その時初めて「ロケッティアってディズニー製作なのか!」と知った。

 

 

deadline.com

というわけで例によってblu-rayを手に入れ、鑑賞したわけだが、実を言うとこれがなんとも僕には全然ハマらなかった。

 

なぜハマらなかったのか、という個人的な分析と、一方でいいところもたくさんあったのも事実で、そこに関しても紹介したいと思う。

 

目次

 

あらすじ

第二次世界大戦直前のハリウッド。若きパイロットのクリフ・シーコードは親友のピーヴィーの設計した飛行機でレースに出場することを考えていたが、テスト飛行中にFBIとギャングの逃走劇の流れ弾を喰らい飛行機が大破してしまう。

借金により途方に暮れ曲芸飛行で生計を立てることを考えていた時、クリフたちはギャングが彼らの格納庫に隠したジェットパックを発見する。

操縦不能になった曲芸飛行のパイロットを助けるためにジェットパックを利用したクリフは正体不明のヒーロー「ロケッティア」として話題になるが、クリフの行動に気づいたギャングたちによりクリフの周辺人物の命が狙われることとなる。

クリフの恋人で女優として躍進をめざすジェニーもまた、クリフとの関係を知られピンチに陥るのだった。

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監督ジョー・ジョンストン

元々はアメリカンコミックスが原作であり、監督は『ミクロキッズ』『ジュマンジ』『ジュラシック・パーク3』そして『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』の監督を務めたジョー・ジョンストン。

 

製作されたのは『ミクロキッズ』(1989)の翌々年で、『ミクロキッズ』を大ヒットさせた手腕を買われたのだろう。

 

また、時代設定が同じく第二次世界大戦頃ということで、この『ロケッティア』は『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』に雰囲気が似ている。

時代設定が同じなのでナチスとストーリーを絡めてくる必要があるのはもちろん、劇中登場するハワード・ヒューズとトニー・スターク(=アイアンマン)の父、ハワード・スタークのキャラクターデザインだとか、スティーブ・ロジャースの髪型だとか、なんとなく近いものを感じる。

むしろ『ロケッティア』という前例から監督に抜擢された可能性はあるかもしれない。

この既視感や共通点は個人的にはとても楽しめた部分である。

 

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主人公を愛せない

僕がこの『ロケッティア』を見て、ハマりきれなかった最大の理由が主人公のキャラクター性である。

好奇心旺盛で向こう見ずな飛行機野郎。といえばありがちな設定で、よくあるキャラクター像である。

しかしながらそのキャラクターの性格を上手に脚本に生かせず、主人公にも関わらずただ視聴者をイラつかせるだけの存在に成り下がってしまっているのだ。

 

主人公は偶然にもFBIやマフィア集団が狙っていたジェットパックを手に入れ、それをつかって曲芸をやって儲けようと考える。実際には曲芸には使われず、操作不能になった飛行機のパイロットを助けるヒーローとしてデビューするわけだが、当然のごとくFBIやマフィアの集団に目をつけられる事態となる。

 

なかでも苛立ったのが主人公とジェニファー・コネリー演じる恋人役ジェニーとの会話である。

クリフは彼女に自らの飛行機が大破し大会に出られないことを誤魔化し秘密にしていただけでなく、それがバレて「秘密を作らないで欲しい」と言われた際に「君は僕の大会を観に来ない」と謎の不満をぶちまける。

 

その後ジェットパックを手に入れたクリフはジェニーとの仲を元に戻そうと、彼女の仕事場=映画の撮影現場に許可も取らずにのこのこと現れ、うまくいっていた撮影を台無しにしてしまう。せっかくオーディションで手に入れた仕事を台無しにされてしまい怒る彼女に向かってクリフは「君の役は映画の背景だろ?」とデリカシーのかけらもない発言をするのである。

この人の気持ちを全く理解できないクリフの行動により、ジェニーはその日付けで解雇されるほか、べらべらと手に入れたジェットパックの話をしたせいで命までも狙われることとなる。

 

決して自身が成功したとは言えない仕事に就いている、仕事がうまくいっていないタイミングで、八つ当たりなのかなんなのか、恋人の仕事を見下すような発言というのは、僕自身かなり「ナシ」だった。

 

最終的にクリフは恋人のジェニーを救い、そして世界をも救うこととなるのだが、そもそものこの大騒動がピーヴィーの忠告を無視した好奇心からスタートしたものであり、発見したジェットパックを警察もしくはFBIに引き渡していたら終わっていた話である。もちろんそうすると話が展開しないし黒幕も倒せないわけだが、これほどの大騒動を起こした主人公をヒーローとして迎え入れる心の余裕は僕にはなかった。

もっとイライラしない主人公の性格と、物語の導入部分が欲しかった。

 

 

 戦前のハリウッドを描くド派手さ

 この映画の魅力は何と言ってもヒーロー・ロケッティアの大活躍!・・・と思うだろうが、ロケッティアは基本的に空を飛ぶしか能力がなく、あとは基本的に生身の人間の戦いが繰り広げられる。ロケッティアの見た目は金属感丸出しのスチームパンク的でカッコいいのに主人公クリフはここでも活躍できない。

(一方でヒロインのジェニーがかなりしたたかである)

 

じゃあ何が魅力的かというと、僕はこの「ジェットパック」一つから広げた馬鹿でかいスケールが気に入った。

 

だだっ広い飛行場からスタートした地味な話は、FBIとマフィアのカーチェイスで荒々しくなり、ド派手なハリウッドのクラブでの逃亡劇、グリフィス天文台を舞台に繰り広げられる銃撃戦、ナチスまで絡めた展開など、B級っぽさすら感じる勢いが面白かった。

 

随所に笑いの要素も込められていて、ニヤッとさせる部分もある。

中盤のジェットパックで麦畑に突っ込むシーンは映画『トゥモローランド』でもオマージュされていて、そこもニヤッとした(順序が逆だが)

 

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まとめ

と色々辛辣に書いてしまったが、決して質の悪い作品というわけではないし、話が面白くないわけではない。

ダサかっこいいヒーローと、不思議な謎を秘めた黒幕、ド派手な銃撃戦、飛行のカタルシスなど、ハマる人はしっかりハマれる作品になっていると思う。

 

僕が批判する主人公の性格も時代的なものが影響してるとも思う。

主人公の無鉄砲さはともかくとして彼の「仕事観」だったりというのは個人的にはちょっと許せない部分もあったりして、かなり偏った見方になっているとは思う。

 

それでもやっぱり、もう今後こういう主人公が出てくる映画は楽しめないなぁと思うようになってしまった。

 

アニメ化に関してはディズニーがきっと当時からよりアップデートした価値観で再創造してくれると思っているので期待している。

面白いアニメになるといいなぁ。日本で観れるかはわからないけど。

 

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