大傑作『カメラを止めるな!』で得られる映画体験と映画製作体験のカタルシス。

そこら中で話題となっている映画『カメラを止めるな!』を観てきた。

 

デートでなんとなく時間を持て余してしまったので映画でも観るか〜と映画館へ行き、ちょうどいい時間にやってたのが「コード・ブルー」とコレしかなかったので、乗るしかないこのビックウェーブに!と思って観てきた。

(本当は劇場版ポケモンか『オーシャンズ8』を観る予定だった)

 

当初2館という小規模上映だったのが口コミで話題になり上映規模が拡大し、僕は幸いにもTOHOシネマズ心斎橋という比較的大きな映画館で見ることができたのでとてもよかった。

帰国後一発目の映画で、劇場で日本の映画を観るのは2016年の『聲の形』以来、実写映画ならば同じく2016年の『シン・ゴジラ』以来。劇場以外で最後に見た邦画はNetflixで観た『鋼の錬金術師』以来。(ひどかったな・・・)

そんな、邦画に関しては(洋画に関してもだけど)基本的にはさっぱりな僕も、この『カメラを止めるな!』は非常に楽しめる作品だった。

 

※以下基本的にはネタバレなしですが、当然ネタバレのラインは人によって違うので「なんの情報も入れたくない!!」という方は読まないでください!

 

目次

 

あらすじ

とある山奥の廃墟で自主制作映画の撮影隊がゾンビ映画の撮影を行っていた。

演技のクオリティに納得できない監督はなかなかOKを出さず、主演女優・男優にダメ出しをし、テイクは42にまで達する。

しかしこの撮影現場はかつて日本軍が人体実験を行っていたという噂があり、「本物の演技」を求める監督は映画の撮影に本物のゾンビを投入してしまう・・・。

 

 

監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品。

短編映画で各地の映画祭を騒がせた上田慎一郎監督待望の長編は、オーディションで選ばれた無名の俳優達と共に創られた渾身の一作

(中略)

 

無名の新人監督と俳優達が創った”まだどこにもないエンターテインメント”を目撃せよ! 

 

(公式サイトより引用)

 

kametome.net

 

感想

おもしろかった!!

この映画は語りすぎると構造が見えすぎてしまって驚きも失われてしまうので、まだ観ていない人は本当に、誰かにネタバレされる前に、むしろこの記事を読み終わる前に観てほしい、という感じ。

正直序盤は「ところどころ面白いけどこの程度?」と思っていたのが、完全に騙されてしまっていた。後半の展開で笑い、感動し、泣けてきさえする。

「ゾンビ映画」だと思って観ていたら公式サイトの通りの「ゾンビコメディー」で、ホラー要素、血まみれ、切断もあるのに最後はホッコリした気持ちになってしまう。

途中でこの映画の仕組みがわかったとしても、前半を耐え忍んだ観客の心を掴んで離さないアイデアが存分に詰まっている。

 

 

映画製作体験のカタルシス

この映画の最も好きなところが、映画製作者の「心の叫び」が存分に詰まっていたこと。

「映画製作」のシーンを映画に取り込むことで本音と建前の本音の部分をこれでもかと痛快に詰め込み、意見のぶつかり合いも、理解されないこだわりも皮肉たっぷりに描きながらギャグに昇華してしまう。

誰の目に留まるか、どれだけの人の目に留まるかもわからない、未知の映像の撮影風景を撮るこの劇中作品は、メタ的・ドキュメンタリー的に、そのままこの「カメラを止めるな!」という作品そのものに重なり、これを製作した「新人監督」「無名のオーディション俳優」たちやエンドロールに名前が載るスタッフたちの想いをリアルに体感させてくれる。

自分が製作に携わったわけではないのに、この映画体験を通して「映画製作体験」までもが堪能でき、スタッフたちへ感情移入してしまう。

 

狂い咲く「映画愛」と、あくまでもポップに描かれる「業界のしがらみ」とのぶつかりあい、それでも「希望はある」と信じさせてくれるようなキラキラ感。

 

「ゾンビ映画」としての始まりからここまで話を広げつつ、しっかりと声を上げて笑える「コメディー」であるという、二重、三重に素晴らしい作品である。

  

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 ゾンビが心配な方へ

どうあがいても「ゾンビ映画」な部分もあるので、不安な方も多いかもしれない。

ホラー映画は何が起こるかわからないからこそ怖く、一方でそれが快感でもある。

しっかりゾンビが出てくるし、血も吹き出るし、前半のノンカットの映像は手ブレが大きく、観ていて酔ったり疲れてしまう人が出てくるのが正直な部分でもある。

(僕は幸い大丈夫だったがツレはしんどそうだった)

 

 

もちろん無理にとは言わないが、それでも観て欲しいし、ぜひ劇場で体感して欲しい作品だ。

 

それくらい「当事者」になれる没入感がこの作品には存在し、その手ブレの前半を乗り切った先に得られる達成感も実に気持ちがいい。

すべてがこの映画の面白さに繋がっている。

 

まとめ

「カメラを止めるな!」はいいぞ。

 

僕にとってはこんな「twitterやっててよかったー!観てよかったー!」と思えた作品って珍しい。日本映画だし、多分twitterの口コミがなければ見てなかったと思う。

 

映画なんて撮影したことないけど、もう見終わったら映画を撮りたくなってしまっている自分がいる。

大げさだけどそれくらい。

 

ここから発せられた映画製作のエネルギーが、数年後またどこかで新たな傑作を産むのかと思うとワクワクする。

本当に騙されたと思って観てもらいたい。

 

 

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