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【雑記】タグ『 #ディズニー映画に出てこなさそうなセリフ 』に思うこと。

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twitterのタグ #ディズニー映画にでてこなさそうなセリフ が、どうも面白くない。

 

なら見なきゃいいし、これを書くことによってアンチディズニーが喜んで、もっとめんどくさいことになるのは重々よくわかっているのだけど、まぁ、なんというか面白くないです。

 

で、ただ自分の感想を書くのはいいけど、それだとただの愚痴になるのでなぜ面白くないのか分析というか、きちんと言葉にしてみようと思いました。

 

まぁこのタグで面白おかしく楽しんでる人は勝手にやっててください、僕も勝手に書きます。

 

目次

 

そもそも土俵が違う

まぁ、ただのネタツイのためのタグだからどうしようもないし、当たり前のことではあるんだけど「ディズニー映画に出てこなさそう」というフワッとしたルールにより、「そもそも比べる土俵の違う」ものが山ほど出てくる。

 

ディズニーって基本的にはPG指定レベルまでの映画しか作らないので、比べるにしろ同じPG指定のものを持ってくるのが当然だろうと思う。

 

国によって制度は違いますがFuckは映画で2回使うともうR-15指定になるのでFuckが2回以上出てくる作品を引き合いに出しても個人的には「いやもう戦う土俵が違うんですよ」と言いたい。

まぁ、今後ディズニーになる可能性のある「デッドプール」などはともかくとして、Vシネとか引き合いに出されても「お前らは一体ディズニーに何を求めとるねん」という感じだし。

 

ディズニーCEOボブ・アイガーは、21世紀FOX買収後も「R指定ものは作る」宣言してるので要らぬ心配だし、むしろ「デッドプール2」は「デッドプール側がディズニーに寄ってきた感」があるレベルでファミリー映画してたので(もちろんグロ描写もあるけど)もうディズニーっぽいとかディズニーっぽくないとかで語るのもいいのだけど、ディズニー自身も「ディズニーっぽいというステレオタイプ」から抜け出そうとしているし、他社も「世界が求めるような共通の思想(人種・性差別撤廃や戦争反対とか)」を目指して試行錯誤しているのです。

だからネタ的に楽しむのはいいけど、どんどん的外れになっていくというか、何度も言うけど僕からしてみれば面白くもなんともないです。

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あ、あと「根本的に違う」パターンとして「その映画に出てくる特定人物のことを言及したセリフ」をツイートしてる人がわりといて、「そんなん出てこないに決まってんだろ」としか言えない。何が面白いんだ・・・。

 

ギリギリで頑張った「ロジャー・ラビット」

 

ディズニーが持つレーベル「タッチストーン・ピクチャーズ」 とスピルバーグの「アンブリン・エンターテイメント」の共同制作で作られた映画「ロジャー・ラビット」にはこれらのセリフが出てきます。れっきとしたディズニー配給で東京ディズニーランドにアトラクションもあるレベル。

やばいくらいセクシーなアニメキャラ、ジェシカ・ラビットは大胆なセックスシンボル風に描かれており、「せっせっせ」という隠語(隠語でもなんでもない)(本当にせっせっせ)も爆笑を誘います。

また「見た目が赤ん坊の50代」ベイビー・ハーマンはセクハラはするわ葉巻は吸うわ、お◯んちんて言うわで、今までのディズニーの常識をぶち破っています。

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余談ではありますが、この大人向け映画も作れるディズニーレーベル「タッチストーン・ピクチャーズ」 を立ち上げたロン・ミラー(ウォルト・ディズニーの娘の旦那)はその後ロイ・E・ディズニー(ウォルトの甥でウォルト至上主義)に会社から追放されるという仕打ちを受けています。

 

R指定に切り込むマーベル・スタジオ

ディズニーが持ってるスタジオにマーベル・スタジオというのがありまして、劇場公開こそされていませんがNetflixで公開されているマーベル・シネマティック・ユニバースの派生作品「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアン・フィスト」「パニッシャー」そして「ディフェンダーズ」などの作品はかなり大人向けに作られていて、登場人物がガンガンえげつない死に方をするわ、セックス描写もガンガンあるわ、ドがつくレベルで過激です。

人体をミキサーにかけたり、ドラッグ的に薬を吸引して強くなって戦ったり、女のヒーローがヴ○ギナとか普通に言います。(ちなみにこれ全部「ジェシカ・ジョーンズ」)

 

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劇場公開されるものは公開規模を狭めないために、PG指定を守ろうとかなりの配慮がされているようですが、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」ではサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーの"motherfucker"がギリギリのところまで出かかるという快挙も成し遂げています。

これディズニー的にも挑戦であり、もちろん「中の人ネタ」ギャグでもあります。

(「サミュエル・L・ジャクソンといえば"motherfucker"」というレベルでかなり多くの映画で頻繁に発せられています。YouTubeを探せば彼の"motherfucker"だけを抜き取った動画も出てきます)

 

また「他社イジり」というか、他社作品をネタ的に言及するのが多いのもマーベルスタジオ作品ですね。

 

 

「ディズニー」でも「普通に言ってる」パターン

まぁ「タッチストーン」も「マーベル・スタジオ」もれっきとしたディズニーなんですが、このタグを使って遊んでる人にとっては「そんなんディズニーにカウントされない」んだろうなぁというのは見てわかる通りです(ギリ「スター・ウォーズ」はディズニーという認識があるみたい)

というわけでいわゆる「ディズニー作品」はどうなのかご紹介します。

 

 

#ディズニー映画に出てこなさそうなセリフ でツイートされている中で多いのが「下品なセリフ」「人を罵倒するセリフ」「殺す」とか「死ね」とかいう過激なセリフですね。

ディズニーはどうしてもクリーンなイメージがあり、会社としてもそこにかなり気を使っている部分もあるのですが、本当にこれらの発言や描写はないのかというと疑問があります。下品な、もしくは差別的なジョークもたくさんあります。

 

 

「オケツを・・・」は『ピノキオ』のジミニー・クリケット。オケツを温めています。(そのあと体って言い直す)

「いかれた」は『ふしぎの国のアリス』(新録で「へんてこ」に修正済み)『アラジン』のジーニーも「あいつイカれてんすよ」というセリフを発したりもします。

「醜い」はよく使われますがこれは『ピーター・パン』ですね。

 

『ピーター・パン』にはインディアンへの「ど偏見ギャグ」が詰め込まれたWhat made the red man red(俺たちが赤いわけ)というようなヤバイ曲もあります。

 

「おっぱい見られちまうよ」は『ムーラン』ですね。女性主人公が男装して戦争に行く物語で、彼女の入浴中に他の兵士たちが闖入してしまうシーンがあります。ジェンダーの概念は丁寧に描きつつ、こういう性差の部分を笑いに持っていったりもします。ちなみにこちらは英語版の方がボカした表現のパターンでした。

 

 

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死ねとか殺すとか

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あと「ディズニーは「死ね」とか「殺す」とか言わない」と本気で信じている人は『美女と野獣』観たことないのかな・・・って感じ。

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『アラジン』にけっこうひどいセリフがあって 笑

アクメッド王子がアラジンにいうセリフなのですが「お前らドブネズミはドブを這いずり回って死ね。悲しむのはたかってるノミだけだ」というもの。

その前のアラジンの「馬のケツが馬に乗っかってどこいくんだろうな!」というのもなかなか毒が効いてますがここはアクメッドの勝ち。

 

お金に汚いキャラクターは出てこない?

ディズニーはお金のことを言わないみたいなのも見ましたが、『Disney's クリスマス・キャロル』では主人公スクルージが冥銭を持っていくシーンもきちんと描かれています。

 まぁもちろん「そのあと痛い目をみる」という話なのですが。

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『ロビン・フッド』では子供の誕生日プレゼントの金貨1枚すら税金に持っていかれるシーンもあります。

 

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自主規制になっていない自主規制

「ライオン・キング」や「トイ・ストーリー」には

「おいやめろ、子供の前だ」というセリフやもっと似合いの言葉があるが、この映画子供がたくさん見てるんでちょっと口にできないなというセリフがあります。

こういう、先を連想させて「言ってないけど結果的に言ったのと同じ」というパターンがかなり好きです。

言いかけて制止されるパターンですね。

 

ベイマックスには「(思春期には)体の毛が増えていくでしょう。特に顔、胸、脇の下、そして・・・」まで言ってギリギリで遮られる部分があり、そこに面白さを感じるというか。

 

 余談ですがディズニー映画ではじめてオナラをしたのは「ライオン・キング」のプンバァと言われています。セリフとしては英語も日本語も「ガス」という表現がされていますね。

星空を見上げながら「俺はてっきりガスの塊が燃えてるのかと思ったよ」というセリフは本人たちはオナラの話をしているのに、はからずも宇宙の真理を言い当てているという巧妙なギャグになっています。

 

モアナは口が悪い

 

 

「You're Welcome(俺のおかげさ)」でマウイに洞窟へ閉じ込められた直後ですね。

言い切らずに画面が切り替わることでbitchを避けています。

 

モアナはこのシーンのちょっと前に海(海そのものがキャラクター)に「あんたなんかお魚のおしっこまみれよ!!」と憤るシーンがあります。

 

また「ノートルダムの鐘」にも同じようなパターンで、ヒロインのエスメラルダがson of a...まで言いかけて、フィーバスに「ここは教会だぞ」と窘められるシーンがあります。ちなみに吹き替えは「このクソ!」って言ってる。

 

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「ディズニー的タブー」の犯しかた

ディズニー作品で、「ロジャー・ラビット」並みにタブーを犯しているものというと、「魔法にかけられて」と「ウォルト・ディズニーの約束」に当たると思います。

 

「魔法にかけられて」は夢見るプリンセスが「ずっと幸せになんてことがありえない世界」として現代のニューヨークに飛ばされ奮闘する物語ですが、「白雪姫」よろしく、部屋のお掃除を動物たちに手伝ってもらおうと歌で呼び寄せると、やってきたのは「ネズミ」「ハト」「ゴキ(自主規制」という。

そして「夢なんか叶わない」「出会って数日で恋して結婚なんておかしい」など、ディズニー的セオリーをことごとく否定されながらプリンセスも現代的に成長していきます。この映画は本当にオチがすごい。

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 「ウォルト・ディズニーの約束」のすごいところは「象徴的存在だったウォルト・ディズニー」が実は「象徴的存在を演じていた」ということをディズニー自身が描いているというところ。

ウォルト・ディズニーといえば、優しく、おおらかで想像力に溢れたクリエイターでとても印象の良いおじさんだとみなさん思っていますし、ディズニー映画の「教育的側面」から、ディズニーという会社が「クリーンである」というイメージを抱くきっかけとなっています。

とある時期からウォルトは「ディズニーという言葉が自分のものでなくなった」と感じ、みんなのイメージから外れないように徹底して「親しみやすく想像力溢れるウォルトおじさん」を演じるようになりました。

その一環で、ウォルトはヘビースモーカーでありながらも、ディズニーという会社のイメージから、人前で喫煙することを一切しなくなります。

 

しかしこの「ウォルト・ディズニーの約束」ではその喫煙シーンがチラッと映るのです。そして一言「タバコを吸うところを人に見られたくない」と。

ディズニー社における最大のタブーはここにあるんじゃないでしょうか。神聖化されているウォルトのイメージを、普通の人間にしてしまうのだから。

「オフ」のウォルトから「オン」のウォルトに切り替わる、というこのシーン。ほんの一瞬なのですがここにこの映画の凄さ、挑戦が詰まっているように思います。

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(追記 2019年4月)

もっとすごいのが出てきました。

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「言ってる」ほうのツイート

みなさんよく観ていてすばらしいです。

 

オリジナル版は"You may also experience strange and powerful new urges."

吹き替えは「抑えきれないふしぎな気持ち」でしたね 笑

なので字幕が頑張ったというか。 

 

短編!「ブレイブ・リトル・テイラー」ですね。

短編とか言い始めると初期のミッキー・マウスなんてミニーちゃんのスカート普通に捲りだすしセクハラまがいをガンガンやってるんですよね。

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「細切れ」系でいうと『ピーター・パン』でマイケルが「(フック船長を)牛肉みたいに切っちゃってよ!」と言うセリフもあります。さっきも言いましたが『ピーター・パン』のセリフは結構やばいですよ。

 

日本語吹き替え版は「ヤク」の部分は「お前他に考えることないのか?」というなんとも言えないセリフに。

「国家」の部分は「不謹慎な音楽を止めんか!」「不謹慎じゃないよぉジミヘンだよぉ」というセリフに。やっぱり文化的にピンとこない表現になっちゃってますね。

車しかいない世界なのにジミヘンって実在した具体的なアーティストの名前が出てくるだけでも面白いですけどね。シューマッハも登場するのでジミヘンもきっと車化しているのでしょう、見たい。

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確かに出てくる!!笑

盗賊のガジームが言うセリフですね。

 

 

まとめ

上記のことを踏まえまして、言いたいことはひとつです。

 

「映画をみろ、話はそれからだ」

 

 

出てこなさそうなイメージ、言わなそうなイメージ。

それ言って楽しければいいんですけど、別に言ってますよ?言ってなくても鋭い表現できますよ?しかも大人と一緒であれば子供も見れるんですよ?

 

もちろんR指定でFワード連発の過激な映画も面白ければ好きですけど、ディズニーみたいに全年齢対象でアプローチの仕方を工夫をすることができる、そっちのほうがすごくないですか?

 

それに、みなさんが思ってるほどディズニーは健全が全てではないですからね。

「それでも面白くない」とか、「そもそもディズニー嫌い」なのであれば、もうそれは仕方がないですが、それでもできるだけ、こういう誤解を解いていけるように尽力し続けたいですね。

 

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